ランナーよ塩分を取れ!
最近実感していることがある。水分摂取と塩分摂取の相関。マラソントレーニングやレースでパフォーマンスを維持するためには、普段の生活からこまめに水分を摂取する方法が有効だと言われている。ウォーターローディングだ。 ランナーズの用語解説によると、ウォーターローディングとは「レースの3日前から十分な水を摂取することで、体内の正常な新陳代謝を促し、老廃物をスムーズに排泄するなど、体調をいい状態にもっていくことを目的として行われる水分摂取法。ウォーターローディングに最適な飲み物は水で、1時間に800mlを上限とし、1回に250ml以下の水をできるだけ何回にも分けて摂取するようにする。排尿量(回数)がやや増え、黄色だった尿が無色になれば適切な量」。と解説されており、私自信もレール前には心掛け実施している。 しかし、この方法を実践して、「成功した」いう実感を得たことが無い。まさしく、それは水分の体内貯蓄が出来ていなかったためだと分析している。それではその理由は・・・それは塩分。最近、ウォーターローディング成功のキーポイントは塩分摂取であることを実感している。塩分の多量摂取というと高血圧症の心配から摂取を極力抑えようとする動きがある。しかし、これでは体内に水分は蓄積されない。厚生労働省が指導する一日の塩分摂取量の目安は10グラム以下。トレーニングにより多量の汗をかくランナーにとってこの量はあまりに少なすぎる。トレーニングによる発汗で失われる体内水分とそこに含まれる塩分。汗の成分はその大部分が水。水以外の成分では、塩化ナトリウムが約0.6%、その他ごく微量の尿素や塩素、カルシウム、マグネシウム、乳酸などのミネラルで構成されている。1回のトレーニングでかく汗の量にもよるが、仮に1リットルの汗をかいたとしたらその中に含まれる塩分は約6グラム。私の場合、1回のトレッドミル走で確実に1.5キロは減量するので10グラム近くの塩分を消費する計算になる。すると平均的成人男性の約2倍の塩分摂取が必要になる。水分摂取と塩分摂取の相関。水分を体内に蓄えるためには塩分の摂取が絶対条件になる。そして私は間違っていた。ウォーターローディングと称して水分をこまめに摂取しようとも単に尿として排出されてしまい体内に蓄積はされない。これが、ウォーターローディングを実践して、「成功した」いう実感が得られない理由だと考えている。汗は結局は血液から作り出され、血液の塩分濃度は塩化ナトリウム換算で一般的に0.9%と言われれいる。この濃度を上回る塩分が体内に摂取された時、初めて血液中の塩分濃度を調整しようとするため血液中に水分が取り込まれる。これがウォーターローディングだと私は思う。だから塩分を同時に摂取しないウォーターローディングなど成立しない。この理論を最近実感している。夕食の特に意識的に塩分を2,3グラム程度多めに取ってみる。するとその晩は夜中、トイレに起きることが無い。この現象というか症状がこの理論を整理するきっかけとなった。マラソンレースでの給水は非常に重要なことだとレース経験のある人なら誰でも知っている。今回の大阪国際女子マラソンでの福士の失速も"ガス欠"と言われているが要するにに"脱水"ではなかったかと思っている。テレビの映像にも映し出されていた、35キロ過ぎの給水でスペシャルドリンクのボトルを手放さず走りながら、飲み続けるシーン。そしてジェネラルテーブルの水にまで手を延ばしている姿はまさしく脱水症状。身体が水分を欲している状態で、パフォーマンスは完全に低下してしまった状態だった。 ランナー達よ塩分をとれ!そして、東京で自己ベストを目指せ!