懐かしい手紙
先日、10年前に精神病院に入院した時に知り合った仲間から手紙が来ました
今時手紙って所にまず驚きましたが、それはさておき
彼女はごくたまに手紙をくれていたのですが、最後の手紙は確か5年前くらい
毎回妄想バリバリの体調悪そうな手紙なんですが、初めてまともな近況報告が書かれていて驚きと共に時の流れを感じました
精神病は年齢と共に落ち着く人も多いとよく聞きますが、確かに入院時代の統合失調症の仲間は最近落ち着きだしてます
とにかく懐かしい気持ちになりました
当時は統合失調症の人に、「あなたはうつ病でいいわね。治る病気でしょ。統合失調症は一生治らないのよ」とよくひがまれましたが、なぜか好かれ、何人かと連絡先を交換して退院しました
何度か会った仲間もいますが、今はほとんどがメールだけのやりとり
彼女は毎回本当に妄想がひどく読むのが疲れるくらいの膨大な枚数の手紙が来るのであえてメールアドレスは教えてなかったんです
だから今回まともな手紙が来てびっくりしたと共に彼女も落ち着いたんだなぁと暖かい気持ちになりました
彼女に返事を書こうと久々に昔の手紙箱を開けました
うつで入退院繰り返していた頃、たくさん手紙のやりとりをしていたんです
当時はメールもメジャーではなかったし、手紙を書くことで気持ちの整理ができて私は好きだったんです
あの頃の手紙は捨てられなくてね
引っ越しを繰り返してきましたが、ほとんど残っていました
うつで初めての入院をしたのは大学を中退してすぐでした
私が入院したのはすべて自殺未遂した後強制的になんですが
大学の仲間からも手紙をいっぱいもらいました
しばらく面会禁止だったから手紙しかやりとりできるものがなくてね
読み返すと今でも胸が熱くなります
大学を中退したこと、うつ病になったこと、精神病院に強制入院させられ、隔離されベッドに縛られていたこと
絶望しかなかったあの頃
たくさんの仲間がいて、みんなが私の回復を祈ってくれていた
あの頃は気づけなかった
見たくなかった
自分は人生の敗北者だと思っていたから
手紙に書かれた励ましも冷やかしにしか思えなかった
今読んで、初めて後悔する
なんで、もっとあの頃素直になれなかったのか
その手紙をくれた仲間とは今ほとんど連絡を取っていない
連絡先すらわからない
自分から避けていた
みじめな自分を見られたくなかった
成功していく同級生が憎らしかった、悔しかった
見ていられなかった
ひどいことを言ってしまった仲間もいた
小さな人間だったんだなぁ
20代の経験はその人の一生を左右する
と聞いたことがある
もっとたくさん仕事も遊びもしたかったけど、私は残念なことにほとんどがうつ病で終わった
でも
今はその10年は無駄ではなかったと自信持って言える
弱者になって初めて痛みのわかる人間になり、人の暖かさを知った
当たり前の生活がとても幸せなんだとわかった
今までの人生で1度だけ母から手紙をもらった
うつ病になって大学生活が本当に難しくなり、休学を考えていた時、その手紙で退学でもよいと思えた
いまでもまともには読めない
私の宝物
「病気になっても、何があってもあなたは私の大切な子ども。」
私も娘達が道に迷い苦しんでいる時に迷わずそう言ってあげられる母でいたい
うつ病になって丸10年
10年前の今頃、私は発病した
今はそれを懐かしく思い出せる私がいる
何度か死にかけたが救ってくれたすべての人に感謝します
発病当時は自殺に失敗して、意識を取り戻した時、なんで死なせてくれなかったんだと周りを非難し暴れて傷つけた
生きていればいくらだってやり直しはきく
そう思えたのは5年後くらいだったけど
命を助けてもらった私ができること
私にしかできないことをしていきたい
当時の仲間に感謝を込めて
またたまに手紙箱を開けるのもいいなぁ
今日は旦那が夜間作業で不在で、久々に思い出にひたっていました
当時描いた絵もたくさん出てきて
また落ち着いたら絵画もやりたいなぁと思ったり
そんなきっかけをくれた手紙をくれた仲間に感謝
皆様の平安を祈っています