孤立合羽の翁、独り釣る玄海の雨。
暖冬少雨が続いていたのが、夜来の雨となり早朝も降り続いていた。それでも釣りに行くと決めていたので、どうせコアジしか釣れないと見込んで6時に出た。 気温はそれほど低くは無いが、かなりの雨で眼鏡に付いた雨滴が対向車のヘッドライトで光って前方が見えづらい。平日とあって街へ向かう出勤の車が多い。日々の務めとはいえ、郡部から朝早く通勤するのも大変だ。雨の早朝、出勤するが如く、原付バイクで釣りに行く我が身は、とても普通とは言い難い。 西浦へ着くとさすがに釣り人はいなかった。早速延竿にサビキをセットしてテトラでコアジを釣り始めた。今冬は気温が高いのに、海藻の伸びが例年に無く早く、特にアカモクは3mも伸びていて、岸近くは釣り辛くなっている。 延竿では遠くに投げられないので藻に邪魔をされる。そこで、7.2mの延竿の道糸に遠投用の8号の浮きを誘導でセットした。これなら岸から10mぐらいの距離を保てるので、藻に干渉されにくい。 すぐにコアジは釣れ始め、16cm以下のものは逃がして17cmぐらいを中心に良く釣れた。やがて雨で遅い夜明けが来て、一旦食いが止まったので、もう終わりかなと見ている目の前の海の色が黒くなった。以前にもあったアジの魚群による変色だと分かった。ウが数羽その魚群の塊の周辺でしきりに潜水漁をしている。天敵の襲撃に怯えたアジの群れが伸びたり縮んだりしながら接岸して来た。 それまで下火になっていた食いが活発になって、30cmのサバも数匹食い、餌が無くなった10時前まで釣り続けてしまった。300匹釣って100匹持ち帰った。 北東の風は強く吹いて気温も下がり、止めた途端に寒さが身にしみた。コアジごときでも雨釣が出来るうちは健在だと、無理やり自らを納得させて雨中を真っ直ぐ帰った。 29日の写真。糸島市の北から南まで。夥しい数のカモたちは田んぼの2番成りの稲穂を食いに来ている。この辺は早稲だから8月に刈り取られた稲株が秋に発芽して稲穂を付ける。今冬は今津湾では、カモは極端に少ないのにここでは、多数見られる。芥屋の早咲きの桜。各漁港ではコウイカ籠漁の準備がされている。イカ籠の中に入れる枝。ツゲのような葉の小さい木で、これにコウイカが産卵する為籠に入る。入口はじょうごになっていて一旦入ると出られない。どこに行ってもノスリばかり。白糸の近く八反田の大クロガネモチ。手入れされた孟宗竹林。ホバリングするノスリ。