思ったより早く西浦崎を訪れることが出来た。
日曜日がくるたびに、もう一週間が過ぎたのかと愕然とするぐらいの早さで巡って来る。日曜日の朝は6時台のNHKの目撃日本を見るのを楽しみにしている。政権の御用放送と化しているNHKにしては出色のドキュメンタリーだ。その後民放の報道番組を見て晴れなら出るし、14日のような雨ならそのまま籠る。 12日は最近に無くよく晴れた。西浦は西風が強くテトラでの釣りを断念して港内でコッパグレを釣り、夕方はアジを釣る積りでいたので、昼間は4時間も時間が余った。 先日蒙古山の西浦崎を目指し、少しずれてその東の突端に辿り着いて西浦崎を眺めるにとどまったので,再度西浦崎を目指した。登り口の民家の近くに咲いていたキソケイというヒマラヤ原産の花。 鉄塔のそばにバイクを止めて歩き始めた。2度目なので勝手が分かっていてどんどん歩いた。しばらく歩いた所に分岐した道があったので、半信半疑でそちらへ足を踏み入れた。数分歩くと突然道が無くなってしまった。仕方なく元の道に引き返して先へ進んで、1kmぐらい歩いた先端に近い場所で、小さい分岐道が下っていたので迷わずそちらへ向かった。 人一人が通る狭い山道を5分も下ると視界が開けた。薄暗い山道でベンケイガ二に出会った。タブの大木。狭い尾根道を進むと、西側の海岸の視界が広がって行く。前回は西浦岬に遮られて芥屋方面は見えなかった。野北が手前で、先に立石山、芥屋大門、姫島が見える。東には前回行った小先端と玄界島。背後の蒙古山。机島、小机島。前回の岩場の先に志賀島の北端が見える。崖の下には白波が砕ける。崖下へ下る為のロープがあった。釣り道具をもって海岸まで下りるのは大変だろう。この日は視程が良く、水平線がくっきり見えた。ハマナタマメが斜面にへばりつくように群落を形成していた。ヤマトシジミのようだが尾状突起があるので違う。翅の色が美しい。強風にもめげずに先端で生きている。図鑑で調べても種名が分からなかった。多分クロツバメシジミだろう。西浦崎は緻密な花崗岩で出来ている。先端の岩の上で過ごすうちに時は過ぎ、釜山行きのフェリーが柱島の東を通過して行った。2時間も海を眺めていると太陽は西へ傾いて来た。ツルナ。土が少ないので生育が悪い。キクの仲間か?ハマボッスはどこにでも生えている。名前も分からない。ハマヒサカキ。強い潮風にも耐える。ハマビワ。これも海風に強い。タチドコロ。 2時間も潮風に吹かれて引き返した。 西浦漁港へ戻り海岸へ行ってみた。この先に最前行った西浦崎がある。 4時ごろから港内でアジ釣りをした。6時頃まで釣って20匹ほど釣った。朝釣れたイスズミの幼魚。グレ(メジナ)より暖海性で、過去から2匹目。逃がしてやった。磯臭くて嫌われるが、50cm位の大物なら冬は美味。引きが強く高知ではキツウオと呼ぶ。夕暮れが迫ると夕日を見ようと海岸へ行ってみたが、下り坂の空は雲が増えて、太陽は雲の一角を照らすのみで、水平線に近付くにつれて完全に隠れてしまった。彩雲が美しい。雲間からつかの間見えた夕日。夕闇迫る海上を壱岐対馬航路のフェリーが帰って来た。はるか西の海上に見えた島影は対馬の一部。対馬の南部は標高が高いので見えることがある。 朝の6時から夕方7時までの長時間を西浦で過ごした一日は、西風の中で暮れて行った。