馬齢を重ねて68年、誕生日に雨釣をする。
朝3時半に目を覚ますとかなり大きい雨の音がしていた。台風10号が過ぎてから夏型の気圧配置がすっかり崩れ、これまでもこれからもしばらくは一足早い秋霖が続く。 8月26日は68歳の誕生日なので、少々の雨でも釣りに行く積りでいた。人生68年も生きると色々あるのはもちろんながら、浮き沈みというよりは、生活に追われての低空飛行の連続だったように思う。 幸か不幸か、忘れやすい性質なので、嫌なことや辛かったことは特に記憶が薄れている。 今は何不自由なく気ままに過ごしているが、いつも心の隅には苛立たしい気分が燻っている。国際的にも国内的にもはびこる独裁的な権力者の覇権主義や言論統制とそれを助長する民衆の支持。そんなもろもろをTVで目にする度に苛立ちが増幅するようで、見ざる聞かざる言わざるを決め込むのが得策だろうが、中々出来ないでいる。魚釣りで少しは気分転換にはなっても完全解決にはならない。 暗い雨中を唐泊に走る。5時過ぎに着いて、アジゴの泳がせ釣りを始めた。アジゴを6匹釣ったところでスズキ釣りの仕掛けを流した。夜明けは少しだけ朝焼けが見られた。 アジゴを泳がせても何ら反応も無く、2時間釣って終わりにした。例年ならこの時期からスズキは釣れるのに前回と今回と気配すら無い。 場所を変えて遠投のグレ釣りを開始したのが8時頃。すぐに撒き餌に集まって来たのがチダイの幼魚と15cm以下のコッパグレとアジゴ。釣り人がいないので餌取りが集合した感じに餌に食い付いて来る。 バケツにチダイの幼魚を入れて撮影した。マダイより体色が綺麗。撮影後に海へ返した。 結局2時間釣って19~22cmのコッパグレを6匹釣って止めた。1匹だけ標本に持って帰ったチダイの幼魚。マダイとの違いは、マダイより体高が高く、背鰭の3,4番目の棘が長いこと。尾鰭の外縁が黒く無い事。 雨の中を道草をすることも出来ずに帰宅した。明日からは69歳に向けて1日1日を刻むことになる。