失敗続きの竿に雨が降る。
18日は朝の内に寒冷前線が通過して一時的に雨風が強くなる予報ながら、5時前に出る時には半月が見えていた。南風が吹いて気温は低くなかった。西浦へ着く頃には空一面に雲が広がっていて、月の影はもう無かった。 例のごとく泳がせ釣り用のアジゴを釣って活かしておいた。何時もの場所には先客がいたので、別の場所で始めるか思案してぐずぐずしているうちに、東の空の雲の切れ間から朝の明るさがやって来た。 ますます風が強くなって来て釣り人は諦めたのか場所が空いたので、そこへ移動した。斜め向かい風の為仕掛けは飛ばず、仕掛けは風下へとどんどん流されてすぐに投げ直す必要があった。数回投げ直すとアジゴは消耗してしまい、泳がなくなるので取り替えるピッチが早くなる。 いつも日の出前にサワラが食い付いてハリスを切って行くので改良を加えて、針元30cmは細いステンレスのワイヤーにしてある。 その時間帯がやって来ると、いきなりサワラらしい当たりが来て一気に道糸が出る。今日は切られる心配もないと合わせると魚の重みを感じた直後に抵抗が消えてしまった。またバレてしまったが、仕掛けの重さまで無くなっていた。巻き上げると繋のサルカンの下で切れていた。 毎回の失敗にすっかり意欲をなくしてしまった。やがて風を伴って雨が降り始めた。雨は断続的で、東の空は雲の切れ間があるのか太陽光で明るい。 雨粒が空中に残っているのか薄い虹が西の空に出た。 チャンスを逃がした後は二度と当たりは無かった。徒労感で力なく見つめる浮きの先に、くっきりと虹が出た。 8時までやってこの釣りは止めた。こう毎回失敗すると次回が見えてこない。 この後は港内で雨中の面白くもないカマス引っ掛けを2時間もして帰った。どうしても小物釣りをしてしまう性が悲しい。 16,17日は土日なので釣りは休んだ。16日は今津湾周辺で半日を過ごし、17日は仕掛け制作と写真編集のためにほとんど自宅に籠った。16日。日の出前の今津湾。ヴィーナスの帯と呼ばれる地球影が薄く出来ている。朝日を受けて獲物を探すミサゴ。カワウの群れが集団で漁をしている。群れが一斉に小移動する。コサギ。クロツラヘラサギ。アシの中に入り込んで漁をする。獲物は多分ボラゴ。今津湾は干潮で干潟が出ている。対岸は女原。冷え込んだ朝に見られる空気の逆転層が出来ている。突然例のハイイロチュウヒが現れてすぐにいなくなった。まだ滞在していたようだ。クロツラヘラサギはヘラサギ混合で20数羽いるもよう。突然飛んで来たカワセミ。くつろぐ小型のシギ。 湾岸から山に登った。目当ての鳥は見られなかった。美しい客船が博多港へ向かう。船名はセレブリティミレニアムと読めた。9万トンぐらいらしい。シマカンギクと二ホンミツバチ。 17日は朝から雲が多く、午後3時までは部屋から出なかった。3時頃にカーテンを開けて空を見ると、珍しい雲が空一面に出ているのが見えて、バイクで3分ぐらいの見晴らしが良い農耕地まで行ってみた。見かけない小さな花が広い群落を作っていた。星をちりばめたように見える。かなり強い芳香がある。幻日が現れた。飛行機雲が広がって行き、新たな雲を作る。魚の背骨のような雲。旅客機が通過するたびに、しきりに飛行機雲が形成される。西へ向かう飛行機が作る飛行機雲が突然形成されなくなる。このため飛行機雲がプツリと切れている。飛行機雲の右を通過する飛行機は飛行機雲を作っていない。右の飛行機は高度が高く飛行機雲を形成していない。高度によって大気中の湿度が異なる。左の飛行機雲の先には雲を作らなくなった飛行機が飛んでいる。高度と場所によっても湿度が変化することを示している。