1日の違いで天国と地獄。
たかが港の防波堤釣りで、地獄も天国も大げさすぎるとは思いながら、たった1日の違いでそれほどの差があった。 しぶとい冬型で海水温はかなり下がって、26日のグレ釣りは滅多に無い不漁だった。西浦のテトラで午前中の4時間釣って、だだの1度も浮きが沈むことも無く、付け餌のオキアミが何かに喰われて無くなることもなかった。これこそパーフェクト坊主で、過去数十年の釣りでも経験がない。大げさに言えばこれは釣での地獄だろう。 1日後の27日は朝9時から3時間釣って、足裏主体で15匹グレを釣ることが出来た。波が収まり濁りが薄くなった海の水温は変わらないはずで、この頃では一番の好漁になった。これは天国と言えるかも知れない。 足繁く釣りが出来る極楽トンボだから経験できることで、ありがたいと思う。 25日。二見ガ浦霊園から見た玄界灘。遠く沖ノ島が見える。二見ガ浦と西浦。海上はまだ時化ている。西の海上遠く、微かに下対馬が見える。烏帽子灯台の先は壱岐。1羽のカツオドリがいない魚を探してあちこち飛ぶ。ノスリの姿も以前よりよく見る。今津湾のズグロカモメ。 26日朝。釣りに行く途中に道草をする。サギ類とクロツラヘラサギ類。明るくなってくると、サギが潮が引いた干潟へ餌を獲りに行く。ヘラサギも出漁する。クロツラヘラサギも飛び出す。ミサゴも飛ぶ。ツクシガモは逆立ちで水草を食っている。豪快に水しぶきを上げる個体と静かに餌を取るのと個体差がある。チョウゲンボウ。 27日。潮が引いた今津大原海岸。つい見入ってしまう砂の芸術。血管のように浮き上がって見えるが実際は凹んでいる。小動物が掘った跡。数日続いた時化で打ち上っていた貝殻は殆どが海に引き戻された。貝か何かが這って砂に軌跡を残している。防波堤のテトラで暮らす野良猫。この猫の祖母が産んだ娘猫に同じ雄猫が孕ませた境遇で、祖母も母親もう生きていない。親父猫は何処かへ行ってしまい、1匹で長いテトラを離れられずにいる。釣り人も途絶え餌の魚をもらえずにいつも飢えているはず。そんな不憫な境遇を知っているのでつい魚を与えてしまう。この冬を越せるかどうか定かではない。知り合いの漁師さんの漁船が帰ってきた。帰りに高台で唐泊を見ながらパンを齧った。春までおさらばだろう。