唐泊でもヒヨドリ海渡が始まっていた。
先日西浦でグレが釣れ始めたことが分かって、釣り場を唐泊から西浦へシフトした。13,14日と連続で釣りに出掛け、それなりの結果を得ることが出来た。 13日は釣の途中で、食いが悪くなった時に釣りを中断して、唐泊のヒヨドリ海越えが始まっているか見に行った。 確認だけなら唐泊崎を見通せる集落北端から見ればよく、予想通り9時頃にはヒヨドリ10100羽以上の群れが陸と海を出入りしていた。 ヒヨドリたちは動きに落ち着きが無く、飛び出し位置を頻繁に変えていて、天敵の存在を想像させた。しばらくして、海岸のすぐ横の山の上を2,3羽のハイタカが姿を見せた。恐らくメスでオスより大きく、小鳥より大きいヒヨドリでも獲物にしうる。さらにハヤブサが開けた海上で襲うのに対し、ハイタカは樹上や林内でも巧みに飛んで襲ってくるので陸でも油断が出来ない。 1時間ほど群れは分断と集合を繰り返した後に、やっと志賀島方向へ飛び立って戻らなかった。次回はじっくりと観察したい。再び釣り場へ戻って1時間ほど釣りをしてから帰った。 12日は雨が上がった後、黄砂が流れてくるとの予報で、近くの高台にある愛宕神社へ行ってみた。福岡では過去にあった程度の濃度だった。南西方向。東方向。南東方向。北方向。能古島が霞んでいる。ピンクのシャリンバイか? 13日。日の出時間に合わせて出かけた。飛び回るハイタカ。渡途中で道草をして腹ごしらえをする。獲物に向かって急降下する。海上に飛び出しても引き返してくる。ハヤブサの姿は見えなかった。ふと上空を見ると、サシバ3羽が西から飛来した。やっと夏のタカを見た。トビとハイタカ。トビがいかに大きいか。しかしヒヨドリたちはトビを恐れることは無く、小さいハイタカをひどく恐れる。飛び立つ位置を変えるために山腹を縫うように飛ぶ。志賀島へ向かう群れは海面すれすれに飛ぶ。ハヤブサは見えなかった。海中の消波ブロックには海藻が全く生えてない。ウニだけが多数へばりついている。今年の海藻はほぼ全滅状態。海藻の多くは春に成熟して種を出し、石など基質に付着して夏を超して、海水温が低下する秋に発芽成長する。しかしこれほど磯焼けが進行すると、種を出す母藻がないからどこからも種が供給されず、藻場が回復する見込みも無い。ウニや藻を食う魚だけの問題ではない。深い闇が日本の海岸に広がっている。これらグレ(メジナ)たちは比較的多く生えているアオノリ類を食っている。年々数が減少しているが、いつまで釣れるものか。