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カテゴリ:島の生活
ようこそ、お越し下さました。 8月に入ってから、車をフェリーに乗せるための 嵩上げした仮設岸壁が完成しました。 120cmは高くなったのかな。 今までは、定期船の発着岸壁が 崩壊と冠水のため、 車を島外に運ぶことは できませんでした。 だから、ゴミ収集車(本土に焼却場あり)や 車検を受けることもできずにいました。 車検については、これまで 期間延長手続きで済ませていましたが、 これでようやく車検を本土で 行うことが出来るようになります。 この仮設岸壁だって、 台風の直撃を受けたら 簡単に崩壊してしまいそうな簡易なもの。 秋から冬にかけて、 岸壁や道路嵩上げの 本工事に着工するようです。 復旧に向かって、確実に一歩一歩進んでいます。 住民のメンタルな面も、 愚痴や不満を言わず、 被災を引きずっている人は見受けません。 島は、明るい人が多いですね。 老い先が短いからとでも思っているのかな。(笑) もともと、海洋民族の気質とでも言いましょうか、 マイナスをいつまでもくよくよと 考えない人が多いですね。 特に、小さな離島に暮らしの人に それが多いように感じます。 海と共に暮らす人は、 その 潮時 (グッドタイミングの時) に漁をすれば、天の恵みとして 魚や海藻類がいただけます。 その季節のその時に、 そのやり方で漁をすれば、 豊漁になることを知っているから。 「板子一枚下は地獄」 (いたこいちまい したはじごく) と言われるように、 いつも危険を孕む世界。 板子とは、船底の板のことですね。 その下は、深い海。 そして、いつ荒れて来るか解らない風と波。 それは、人間ではどうにもできない神仏の領域。 だから、健康で食べさせていただけることへの 神々に対する感謝の念が強いのですね。 その中で、自己の知力を駆使して 豊漁、=幸せに繋げることが 海に暮らす人の営みです。 それは、農業のように種をまき 小まめに世話をせずとも、 一切が天が用意して下さいます。 農業は、春に10の種をまけば、 秋の収穫は概ね10前後と決まっている。 その間、いろいろな世話をし、 気候の変動で収穫が下がることもある。 漁は、農耕と違って不確定要素を持っています。 でも、厳しい不漁や その他の逆境と思われる時が続いても、 いつかはきっといい潮時になると 確信めいたものを持っているのですね。 たくさんの漁があった時、 自分達では食べきれないから みんなに分ける。 もらった人は、 今度は自分がそうなった時は、 自分も分けようという気持ちになる。 それが、巡って巡って、 島の経済は貨幣経済ではなく 物々交換になった。 船が無事だった人が、 海の瓦礫が片付き始めたので、 刺し網漁をやってヒラメを捕ってきました。 それがなんと、大変な豊漁でした。 それを、惜しげもなく 島民に配って回ってくれました。 島に暮らして、魚が食べられなかった5か月間。 それが、やっと食べられたヒラメの刺身。 美味かったです!! 一歩間違えると「死」とも隣り合わせの海の仕事で、 何かの時に助けてもらえる島民同士。 だからなのか、普段から 「人に手を貸す」という事が 当たり前なのですね。 今回の震災で、この島の特筆すべき これらの点が顕著に現れましたね。 船が流されて、漁ができないでいる中、 先日もみんなウニを食べたいだろうとなって、 有志が残った船で交代でウニを捕ってきました。 それを、島民100人に一人 10個ずつ分けて配りました。 夏はウニの季節。 私も、大盛りのウニ丼で いただかせてもらいました。 本当の「豊かさ」とは何なのか。 この事を教えて下さった網地島。 そして、津波で「物」は失ったけど、 相手を想う事、 手を貸す事、 の大切さを更に 学ばせていただいた。 愚痴る事の愚かさを 教えていただいた。 多くの人が、前を向いて歩くことの 大切さを教えていただけました。 こんな素敵な島に、導かれるように 移り住むことが出来て、 何と私は幸せなのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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