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カテゴリ:東北大震災
福島第一原発から 40数キロ 福島第二原発から30キロ位
「スパリゾートハワイアンズ」で被災した。 久々にとった有休休暇。 家族サービスと称し、妻と2歳10か月の息子を連れ、 無料送迎バスでホテルに到着し、わずか1時間半後の震災だった。 知らない土地、さらには水着のままの避難という、 非日常的な状況下での悲劇ではあったが、 ここで被災したことは不幸中の幸いだったのだと、 今にして思う。それも、特上の。
いわゆるライフラインがすべて生きていた。 そのため、さまざまなメディアで報道されている被災地のように、 寒さに震えたり、暗闇に怯えたりすることが一切なかった。 しかも、食料の備蓄があり、東京に帰ることになる日曜日の朝までの計5食、 すべて十分な量を提供してくれた。 しかも、ビュッフェ形式で。 これは、2歳児を抱える家族としては、とてもありがたいことだった。
被災者たちは大会議室、あるいはロビーや廊下で雑魚寝となった。 眠れぬ夜が明けて、土曜日。記者は、とある従業員にふと、聞いてみた。
じゃあ、彼らの家族は一体どうなんだ? 親戚は? 友人や恋人は? 恥ずかしながら、記者はこの時まで、本当にこの瞬間まで、彼らも“被災者”であることを忘れていたのだ。 それも、我々よりもはるかに厳しい環境下にあるのだ。恐らく、これだけ震源地に近くて、家族全員無事というのは考えにくい。 連絡が取れない、友人、知人が山ほどいるはずだ。
そして、何よりも自分自身が1秒でも早く、帰りたい場所があるだろう。
しかし、彼らはそんなことを態度にはまったく出さず、 自らの職務をまっとうした。その行為は、我々の体ではなく、 心を救ってくれた。
常識では考えられないほどの大きな余震が続くなか、 まったく安全が担保されない道を、被災した「お客様」のために走る。 それは、命がけの行為だ。 拍手で手が痛い。ジンジンと響き、熱くなる手のひらを見つめ、記者はこのとき、拍手には大小のみならず、軽重があることを知った。
記者は今、東京で原稿を書いている。 そして思う。 絶望の淵にある人を、真に救うのは「情報」でも「言葉」でも、ましてや「法律」や「ルール」などではない。 「行為」だ。 何をすべきかを論じているだけでは、誰一人救えないのだ。我が身の非力さを、これほど嘆いたことはない。 また家族を連れて、遊びに行かせてもらうつもりでいる。 それも、できれば毎年。 そして、その都度、息子にこう言うつもりだ。
「このホテルで働いている人は、みんなお前の命の恩人なんだぞ」と。
そう笑って言える将来がきっと来ると、記者は強く信じている。
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