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カテゴリ:お題
退屈するほどの時間がほしい。 小説に漫画に画集にパソコン、化粧品に靴に鞄に服、お香にアロマキャンドル、辞書に原稿用紙とボールペン、参考書にノートとシャープペンシル、カタログと注文用紙、レシピに調理用品と食器とカトラリー、針と糸とラインストーンとスパンコール、雑誌、製図用具、パズル、ビデオテープ。 今まで未熟ながら四方八方手を尽くせるところには尽くして集めて集めて掻き集めまくった私の手間と金銭の集大成が棲家のそこかしこに堆く積まれている。が、いまだ蒐集し飽きる事はない。 それでも暇を潰す為のツールとしてなら部屋の中にあるだけで充分に事足りる。 しかし現在、折角あるそれらを生かしきる為の時間がなく、存在を主張するアイテムたちを視界の脇に押しやり未練がましく眺めながらも活用する機会を幾度となく逃していそいそとスケジュールに追われるようにして日々を過ごしている。 頭の隅ではいつかのんびりとそれらを使って楽しめる状況を作りたいと様々な環境の構成を考えながら、同時にそれはいつまで経っても「いつか」から進展する事がないであろうという事も容易に想像がつくので、やるべき事は山ほどあるのにやりたい事は一切できないで流されていく自分の習性とそれに伴うお決まりの展開をつくづく恨めしく思う。 こうして毎日の生活に没頭していくうちに時間と労力はその反復運動の中に埋没してゆき、やがては趣味に耽る行為を忘れていくのだろう。退屈するほどの時間がほしい。 いや、こういうつまらない日常の繰り返しを、一般的には『退屈』と呼ぶのかもしれない。無味乾燥。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年07月03日 17時49分21秒
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