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カテゴリ:お題
『いろちのおそろ』 すでに死語だろうか。要するに色違いのお揃いを指す言葉である。 私はお気に入りの服を見つけて購入する際にできる限りありったけの"いろちのおそろ"を買い占めるように習慣づけしている。オタク気質のコレクター魂がそうさせるのだという説もあるが、実はこれには他にも理由がある。 私のサイズはSかXS。号数にして7号か5号。ウエスト55cm。靴のサイズは22.5~23.5cm(モノによっては22cm) これに対して一般的な市販品の下限というのは大抵がサイズにしてMかS。号数にして9号か7号。ウエスト61~58cm。靴のサイズは23~23.5cmである。 何故か昔からビッグサイズに関してはある程度どこの企業もサイズ展開の上限を広げるなどして寛容な姿勢を見せている様子が窺えるのだが、ミニサイズは意外と冷遇されている。最近は比較的サイズの下限に対しても柔軟なサイズ展開を繰り広げている企業が多いのも確かだがそれでもやはり大きいサイズと比べると選択肢は非常に狭い。 そのような環境にあってある程度着こなしにバリエーションを持たせようとするとどうしても必要条件を満たしている物を見つけた時点で同デザインの商品を色違いで何枚も買い揃えるという行動に出ざるを得ないのだ。財布の紐を締める事ばかりに気を取られ、遠慮がちにひとつもしくはふたつしか買わずにおいて後々の着こなしに支障をきたし、「ああ、あの時あの色も揃えておけば良かった」と呟いた経験は数知れない。 その痛手から教訓を得ての"いろちのおそろ"である。 微妙なサイズや色の選択違いがその人本来のシルエットの美しさとその商品の全体的な雰囲気・持ち味を壊してしまうが故に着こなしで一番大事なのは似合う色でジャストサイズの服を選択して着る事だ。いかにデザインが気に入っていようとも自分に丁度良い色使いであろうとも、サイズがひとつ分違えば借り物かお下がりを着ているようなだらしない印象になってしまう。というのが私が服を買う時の持論なのだが、私自身がその持論を体現するのに非常な苦労している。 その理由は先に記したとおり市販の服のサイズの下限に対して僅かに自分のサイズや体型が大抵数値的に下回っており、私の身体にフィットする服の絶対数が圧倒的に少ない事。かといって決して私のスタイルは良い方ではなく、単純に人間のサイズが小さいのだ。 最近は中途半端なサイズの物を着ているのを誤魔化すのにパシュミナやレースショールの類を用いて不自然な部分を隠すという悪知恵もつけたが、あまり使いたくない小技である。実は服そのものよりも羽織るパシュミナの方が余程高価であったりするので元が取れた気がしないし、それこそサイズを考慮しなくて良い品が色違いデザイン違いで様々に並んでいるとあっては余分な購買欲を刺激してしまう。 服が着る人を選ぶような高価でスノッブな店に行けばいくらでも私の該当サイズはあるだろうし(但し、大幅な裾上げを余儀なくされて屈辱感を味わうのは必至。)そんなに苦労しているのならいっそオーダーメイドにでもしたらどうよという声もあるにはあるのだが、何せ定職につかず家業手伝いでお小遣いを稼いでいる身分なので金銭的な問題がクリアできない。精々いつかはオーダーメイドでこんな服をと気に入ったデザインを集めた理想服スクラップを作って夢想するのが関の山。 着られるものを着ておけば良いのにそういったポリシーを持つ事自体が、ただでさえ絶対的な数が少ないジャストサイズの商品を血眼で探すという非常に疲れる行為を自らに課し、結果的に合うサイズが手頃な値段であれば多少デザインに妥協してでも財布を痛めてでも買わざるを得なくなってしまう事態を招いているのだと分かってはいるのだが。 つい先日まで(というか現在進行形なのだが)某大手通販会社での買い物に狂っていたのも実はこのサイズの悩みの為で、どういうわけか今回のセール品にはカタログを具に調べても見つからない自分のサイズがいくつも安価に売っていて、ワードローブを一気に増やすチャンスであったのだ。ここでも"いろちのおそろ"を如何に効率的に入手できるかを考えて商品を十重二十重にチェックして購入計画を立てている。 今シーズンの買い物が終わった暁には、私の部屋のあちらこちらに同じデザインの違う色の服や靴・・・所謂"いろちのおそろ"が溢れ返る事であろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年07月09日 14時55分36秒
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