こんなとこへ誰が??
今日もカンボジアのシソポン。本当に小さな町で,特に見所があるわけではない。町の西側にプノン・スバイという丘がある。昔は軍事上登れなかったが,今は誰でも登れて見晴らしがいいと書いてあった。そこへ登ってみることにした。8/13の日記にも書いている。 町なかから見た,プノン・スバイ。ここは,国道5号線(手前から左へ→至ポイペト)と6号線(右へ→至シェムリアップ)の合流点である。電波塔と,監視台が見える。 街から丘へ行く道は1本。ガイドブックによると,グラウンドの前から登り口があるらしい。そこへたどり着いた。「んん?どの道を行けばいいんや??」グラウンド前から道が3本ある。地図に書いてあったようなわかりやすい道ではない。「どれや!」まず,1本は違うだろう。あとの2本だ。どちらも丘へ伸びているようだ。「一番丘寄りの道にしよう。」 道を進む。「えっ??」また道が分かれている。再び丘寄りの道を選択。「うそやろ~!」また分かれ道だ。みたび丘寄りの道へ。民家もある。しかし,断崖でストップ…壁は登れない。じゃあ,真ん中の道だ。 しかし,最初は広かった道も,すぐにこんな道に…「ほんまに行けるんかいな??」こんなとこへ誰が来るのか?しかも,雲行きが怪しい。案の定,雨がぱらついてきた。避難する場所もない。へたに横へ入れば,何がいるかわからない。道は,雨水が川を作った跡がある。もしスコールが来たら,この道は完全に川と化すだろう。ドロドロだ。あきらめて戻るか,そのまま行くか?? 結論,行くことにした。何とでもなれ!どうせ下りてもすることがない。傘をさしての山登りだ。コブラやマムシが出てきたら逃げようもない。さらに,こんなとこで強盗なんか遭ったら誰も助けてくれない。殺されても,すぐに発見されないだろう。でも,いつ人が来るかわからないようなとこで延々と待っているようなヒマな強盗はいないか。 道は1本道。でも,ほんまに着く保証はない。しばらく歩き続けた。雨は本降りになるかと思われたが,幸い止んだ。これは,ラッキーだ。 頂上が見えてきた。この道でよかったのだ。右手に小さな建物が見えた。しかし,なんかボロボロ。イスも何もない。中は落書きだらけだ。ここから景色が見えるのか?中に入り,外を見てみた。「??…」右方向は見えるが,正面と左方向は木が生い茂り遮られて何も見えない…おいおい!こんなとこへ,わざわざしんどい目をして来るか??でも,落書きがあるということは,来ている人がいるということだ。ほとんどがクメール語なんで,地元人が多いのだろう。 さらに登る。電波塔などが,すぐ目の前だ。監視塔も見えてきた。しかし,柵が張り巡らされていた。電波塔の周りはわかるが,監視小屋の手前は入れないようにしてあった。なんや,登れへんのんか… と,柵の横に家が。そこから,いきなり犬が2匹出てきた。激しく吠えている。カンボジアの犬は,他人が来るとよく吠える。ってことは,家の中には人がいるのか?のぞいてみると,老夫婦がごろ寝をしていた。こんなとこに住んでいるのか??監視役だろうか?その老夫婦,起き上がって犬をなだめた。私は,「ソーム トーホ(ごめんなさい)!」と言った。向こうも,外国人とわかったようだが,「なんでこんなとこへ来るねん??」という顔をしていた。 雨は止んだが,まだ雨雲がある。雷の心配もあるのだ。先ほどの建物に戻った。建物の向こう側は崖だが,窓から出たとこは岩があって,そこに座っていた。ここから見ても町は小さい。右方向がポイペト,さらに大地の向こうはタイだ。 1時間以上,そこにいた。その間,やはり誰も来なかった。上りの時は雨が降っていたせいもあり,あまり気づかなかったが,下りは,木々の間からだが,景色がいろいろ見えて感じがよかった。 ふもとに戻ってきた。少しある民家の住民は,「なにしに来てるんや,この外国人は??」という感じで(勝手に想像),ずっと見られていた。 わざわざ来なければならないような丘でもないが,興味がある方は登ってみては?山が好きな方は,おもしろいかも知れませんが,ふつうの山です… ↓ 本サイトです。アジアを旅しよう!