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カテゴリ:本
正確には昨日なんですが。一気に読みました。
「夫 板倉光馬の生涯―伝説の潜水艦長」 幾多の危機に遭いながらも帰還を果たし、不死身・不沈の潜水艦長との異名を持つ板倉光馬少佐。その夫人による回想です。 数隻の潜水艦長を務めたあと、回天特攻隊指揮官として、部下を死地に送り出す苦悩、その死に涙する姿。仕事上、なかなか家に寄り付かないことが多くても家族に対する愛情は忘れない。(ただの一度も奥さんに手をあげたことがなかったそうだ。泣けば謝るし、いさかいで家を飛び出すと、慌てて後から追ってきて「帰ろうよ」と言ったとか。) 普通の戦記ものと違い、戦中のコトだけではなく、戦後の苦労をした生活状況も書かれております。今ではビックリするような金額が出てきますよ。子供二人から見た「父」の思いでも、また違った視点です。 身内だから分かる内面。「決して良い夫とは言えない。シマッタと思ったこともある」と書かれているが、夫のことを理解し、支えている姿がわかります。 板倉光馬少佐自身が書かれた本もあります。手元にあるのは 「伊号潜水艦」 「どん亀艦長青春記」 もう一冊あるがちと古い… 微妙に中身は違うが、若いころはなかなかの暴れん坊で、艦長を殴るし、暴れて食器類をぶち割るなどなど。(上官に原因があるのだが)それでいて、風紀の乱れの改善に奔走し、部下に対する気配りも忘れない。 そして酒が大好きで、泥酔しての失敗談が面白い。このなかに、ホント(?)の「不死身」の異名の由来があるのだが、ご本人曰く、「酒の上でしくじったことは数限りなくあるが、今夜のことは臍の緒を切って以来初めてである」……たしかに、かなり情けない出来事かな;; そんな失敗談から作戦における危機一髪な状態、絶体絶命の中を奇跡的に生還、回天特攻隊指揮官として2度、出撃志願するも叶わずに終戦をむかえたこと… 重なる記述がありながらも、視点の違う「夫婦」の本をあわせて読むのもまたよいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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