妖怪になりたまへ
大事に扱われたモノ達は魂を与えられ妖怪となって現れるそのボロボロの自転車は憧れのお兄ちゃんからのお下がりもらったときからタイヤを交換しブレーキのゆるみを直し雨の日も乗らない日は無いほどいつでも一緒だった事故の起こる3日前にも今度は後ろのタイヤを替え錆びたフレームの自転車にアクセサリーパーツを付けて少しおめかししてやったのだ自転車は周囲にクラッシュ音を響かせながら彼と共に数メートル跳ね飛ばされたフレームは曲がったまま自転車はもう動かない聞きたかったのはいつ頃査定が決まるのかと言うこと保険屋は言う消費年数からどれだけの価値があるか査定して・・・・・・・だから、いつ頃それがはっきりするのかその目途を教えて欲しいと言っているだけお金の計算しか頭にないからどちらがどれだけ過失責任が・・・だとか新品の自転車が変えるだけの保証が・・・だとかの話がでてくるんだろうけど私はそんなことを話してるんじゃないそんなことを言い始めるならこの壊れた自転車を返して欲しい皆が手を入れて時間をかけて寒い中体をかじかませながら真っ黒になりながら大事にしてきた自転車を返して欲しい妖怪になりたまへお金の計算でしか物事を考えられなくなった人達の所へ夜な夜な現れるが良い 今までありがとう