カテゴリ:邦画 ドラマ
■原題 『フラガール』 ■監督 李相日(り・さんいる) ■キャスト 平山まどか:松雪泰子 谷川紀美子:蒼井優 谷川洋二郎:豊川悦司 熊野小百合 :山崎静代 吉本紀夫:岸部一徳 谷川千代:富司純子 ■ストーリー :★★★★★ ■映像 :★★★★★ ■音楽 :★★★★★ ■総合評価 :★★★★★ ------------------------------- ■コメント■ ------------------------------- 2007年の日本アカデミー賞で5冠達成した作品。 実話をベースにした作品であり、メモリアルDVD-BOXには当時の関係者達の インタビューが収録されていたり、ラストのダンスシーンをマルチアングル で撮影したDVDも収録されていたので、迷わずメモリアルDVD-BOXを買って しまいました。 舞台は昭和40年の福島県いわき市。 エネルギー革命によって炭鉱で成り立っていた町の産業が傾きつつあり、 炭鉱以外の生活の糧を得るため、一気に勝負に挑む人達。 それは「東北の福島にハワイを作ろう!」という、とてつもない計画。 炭鉱を閉鎖して失業者を出し、そんな中で娘達にヘソ出しフラダンスを 陽気に踊らせるなんて、とんでもねぇ!と怒る大人たちとは逆に、 集められた娘達は、最初は東京からきたまどか先生に反発を覚えるものの、 次第にフラダンスに活路を見出していく。 実話が元になっているので、あえてストーリーは多くは語らず。です。 脚色されている部分もかなりありますが、箱物だけ作って金ばかりかけ、 結局人が集められなかった町おこし失敗事例が多い中、ハワイアンセンター だけは数年おきに新しい施設やサービスを取り入れているテーマパークへと 進化を遂げているわけで、もう、それだけで十分、感動ストーリーになる。 笑いアリ、涙アリといろんなエピソードが盛りだくさんだけど、 やはりラストのダンスシーンは圧巻。 CMや予告編に出てくる激しく腰を振るダンス。あれはハワイアンフラでは ありません。 私も知らなかったのだけど、学生時代のバイト仲間でフラをやっている 人がから教えてもらったのですが、私達が思い浮かべる激しい動きの ダンスはタヒチアンだそうです。 映画ではフラも出てくるけど、盛り上がるのはやっぱりタヒチアン。 この映画を見た人の中には 「『フラガール』なのにラストの盛り上がりはタヒチアンダンス。 だから評価は下がる」 としている人もいるようですが、 映画の盛り上がりを考えると、それはそれでアリだと思います。 とにかくダンスシーンがすごかった! 松雪さんのダンスもすごかったし、同じダンスを踊る蒼井優ちゃん。 バレエをやっていたということもあり、手先の動きがとてもきれい。 バレエは上へ上へと「重心を上げる」動き。 逆にフラは下へ下へと「重心を下げる」動きということで、最初は慣れな かったようですが、立派にフラガールでした! とにかく二人が可憐で美しくてねぇ~。 ダンスシーンは完全に見とれてしまいました。 ぜひDVDの特典のほうも見ていただきたい! 映画の裏側を見せるのもどうか?という評価もありますが、 これはこれで、笑ったり泣いたり満載です。 「ウォーターボーイズ」「スイングガールズ」で流行った 「役者が吹き替えナシで演じる」手法。 最近ではドラマの「プリマダム」で全員が最終回に発表会で踊る なんてのもあったけど、「発表会で踊る」ことが最終目標になってしまい、 その後は「あれ?もう終わり」と、あっけない幕切れになることが多い。 なんか、ストーリーが置いてきぼりっていうか・・・。 「フラガール」はその点、実話であり、しかも現在もそのスピリットを 受け継いで踊っていたり、踊りを学んでいる人達が存在しているという こともあって、逆に「え!?それだけ!? ストーリーは?」と、 「置いてきぼり」感はなかったです。 「発表会で終わって踊り」じゃなくって「それがスタート」なわけなのです。 最後も締められていたと思う。 で、いつもはここで音楽であったり演出であったり本であったりと 長々と感想を述べるわけなのですが、今日はちょっと趣向を変えて。 今日は別宅に母と妹が遊びに来ました。 で、「フラガール」のDVDを見つけて母が「見たい」と言い出し、急遽 「フラガール鑑賞会」に。 うちは父も母も出身は福島で、父方の叔父がいわきの近くにいます。 母は何度か引っ越したこともあったり、(いわきの近くにもいたのかな?) 親戚のうちに遊びにいった帰りに立ち寄るなど、 小さい頃から何度かハワイアンセンターには行った事があります。 ということで、ゆーかハハ的「フラガール」講話。です。 まず、この「常磐ハワイアンセンター」設立時のエピソードは 当時、福島にいた人なら誰でも知っているんじゃないか!?というくらい 有名な話だったそうです。 私も「炭鉱の町」から脱却して「出てくる温泉を利用して ハワイアンセンターを作ろうとした」ということぐらいは知ってたけど、 「東京から踊り子を呼んで、躍らせればいい」とせずに、それでは いわきのための復興のためにはならないと、あえて「いわきの娘達に フラダンスを教えて踊らせる」ということを選んだのは初耳でした。 とはいえ当時は賛否両論で、映画どおりに支援派と反対派の対立も あったそうです。 で、役者の方言について。 親戚やおばあちゃんと話していて慣れてはいるけど、 映画を見ていて最初の30分くらいは何を言ってんだかわからんでした。 もうね、字幕をつけてもらいたいくらい。 福島も大きいからねぇ~。言葉が違うわけです。 特に昭和40年の頃となると、今より方言もきついと思うし。 妹も「ほとんどわからん」と言ってました。 しかしさすがハハ。 途中、岸部一徳演じるハワイアンセンターの部長が松雪さん演じる まどか先生に啖呵を切るシーンがあるのですが、普段は丁寧に標準語を 話そうとしているのに、あまりにキレまくってて方言丸出しで怒鳴るため ぜ~んぜんわからん。 ハハは笑ってました。 「え!?わかるの!?」と聞いたら「わかるよ。」だそうな。 ・・・ちぃともわからん。 ハハいわく。 「富司純子は演技はうまいけど、方言はイマイチだね。」 どうもアクセントが合ってないそうな。 その点、「岸部一徳はうまいね。」だそうな。 うん。確かに岸部一徳は福島の出身らしいです。 うーむ。ここら辺の差は私にはわからないです。 私が聞いたことがある福島の方言とはちょっと違うし・・・。 ハハいわく。 「いわき」はちょっと「乱暴」というと語弊があるけど、 キツイ方言だそうです。 なるほどね~。やっぱり私の知っている言葉とは違うみたいです。 その後も、集められた娘達がまどか先生を前に「とりあえず踊ってみろ」 と言われ、踊った盆踊りを「炭坑節だ。」と指摘したりと、 本日は「解説付きな鑑賞会」となりました。 ちなみにうちのハハは、ハワイアンセンターのオープン直後に行った そうです。 でもそのとき、ハワイアンセンター側で室内の温度調節がまだ うまくいっていなかったようで、風邪をひいてしまったそうです。 「温度調節できてなくて寒かったの?」と聞いたら 「暑すぎて逆に風邪をひいた」という謎な答えが返ってきました。 暑いから、そのまま薄着で外に出てしまい、風邪をひいた??? 謎だ。 その後もハハの姉が社員旅行などで「ハワイアンセンターに行く」 という時には一緒にくっついて行ったりと、当時から立派な娯楽施設 だったようです。 ------------------------------- とにもかくにも、冒頭の★の数を見てお分かりのとおり、 普段の辛口な突っ込みからすれば驚きの満点。 でも、これは、特典ディスクも含めた★の数かも。 本編で泣いて笑って、特典ディスクでまた泣いて笑えます。 「特典だったら映画本編の点数じゃないじゃん!」なのかもしれないけど いや~。本編だけではもったいない! これはおススメの一本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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