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テーマ:地球と暮らす。(29)
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暫く夜には気温が下がって見かけなかった蛍もゆうゆうと灯をともし
9時過ぎにやってくる夕暮れ時がますます楽しいミシガンは初夏。 苺がまだまだ赤い実をつけ 木イチゴもたわわに実り 去年は苺が終わって木イチゴだった様な気がするなぁ。 なんて思いながら そろそろ今年も木イチゴを発酵させて酵母を作ろう。 ずっと芽が出なかったバジル達もこの陽気にやっと芽を出し 水菜にほうれん草、コリアンダーにディルの花が咲き始める。 種から育てるのは初めての今年の畑。 大丈夫かなぁ。 ってドキドキしていたけれど皆元気に育ってくれている。 色々な大きさの双葉が芽を出し そして大人の葉っぱが顔を出すと ぐんと表情を増す畑の風景。 大きくなっていく葉っぱ達。 それはなんてドラマチック。 去年の畑には トマトの芽が沢山でてきて あんなに小さかった苗にはもういくつかの黄色い花がついている。 積雪が少なかったせいか ウサギ達が沢山現れる今年の庭。 元気にかけっこをする小兎達 ひまわりの芽やトウモロコシ、芽キャベツがお気に入り。 朝顔もおいしいんだって知らなかった。 シマリスの兄弟もすばしこく走り回り 苺をかじっては玄関先に置いて行く。 雹が突然降った少し前の夕方に 鴨、だと思われる卵がひとつ 花に混じって不思議な存在感で転がっていた。 毎日やって来る鴨のカップルともう一羽の雌の鴨が 少し離れた所で草をつついている。 ど、どうしよう...。 と焦る気持ちを抑え 暫く様子を見る事に。 2時間経っても帰って来ない親達。 そっと近寄って 懐中電灯で照らしてみる。 夕日色にも似た薄い卵の殻には 何も陰は見えず 覚悟をして手に取ってみる。 冷たい。 一度触ってしまったからにはもう親元には返せない。 恐らくは無精卵の卵と知って放置された卵。 でも何だかどうしようもなくドキドキして。 くじらと二人で取り敢えず電球で温める装置を作りなんとか温めてみる。 私には何も出来るはずが無いのに 両手が熱くなる。 1時間くらいしてもう一度手に取ってみると やっぱり卵は冷たくて その柔らかい薄い殻の中を 電灯で照らしてみても やっぱり夕日色には一点の曇りもなくて。 蛍の舞う庭に くじらと二人で卵を元の場所に戻しに行く。 ひょっとして誰かアライグマかスカンクか もしかして食べるのならそれで良いのかもしれないと。 まだ暫く私の手は熱いままで その夜は良く眠れなかった。 次の日 やっぱり庭でじっとしている鴨のカップルと 一羽の雌鴨に わわわ、もしかして卵を産んでいたらどうしよう......。 だって小鴨と歩いて行ける場所に湖なんてないのに。 半時程してやっと庭を散歩し始めた鴨達 そこに卵の落とし物はなくて ほっとする様な ちょっと残念な様な 乱れる心の内に 今度もし卵を見つけてもそのままにしておこう。 と誓う。 冷たい事かもしれないけれど きっとそれが一番良い様な気がする。 羽根に縞模様のあるトンボが飛んで 私は腰まであった髪を切り 封をして送る。 少し湿り気のあるミシガンの夏の空気が 軽くなった髪をすぎて 今日も稲妻が空を走り ミシガンは初夏を迎えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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