昼間の日差しは暑いけれど空気はどこかひんやりとして
朝夕には肌寒いミシガン。
蝉の声も小さくなって
蛍も何処かへいってしまったみたい。
涼しい夜の空気を喜ぶみたいに虫の声が大きくなる。
まだまだこれからトマトも赤くなる頃
だけれどミシガンにはもう秋の気配がやって来ているのだなぁ。
なんて思っていたら今朝素敵な出会いをしてしまった。
東京にいた頃は夏がやって来ると真っ暗な公園に出かけて
蝉が土の中から出て来て木に登り、羽化する様子を見に行くのが好きだった。
茶色い幼虫の殻を破って出て来る蝉の成虫は
暗い鍾乳洞の中で光る泉みたいに
少し翠色を帯びた乳白色が綺麗でどきどきする。
朝、まだ空気が夏の暑さを含む前に
庭に出て日光浴をするのが好きで
植物の様子を見ながら水をまこうかと思ったら
きらきら光る羽化したばかりの蝉が葉っぱの影に見えたのだった。
実はミシガンに来て蝉の姿を見たのはこれが始めて!
木が多いせいなのか皆高い所にいるのか姿を見た頃がまだ一度も無かったのだ。
勿論、羽化する所も見た事がなかった。
羽根を乾かすまだ白い蝉の息を飲む美しさも
朝の空気も
温かくなり始めた太陽の光も
全てが愛おしくて
自分の庭に蝉が眠っていた事
ここを生まれる場所に選んでくれた事も
全てがうれしくて。
ああ、ミシガンに来て良かった。
って
今日、ここにいて良かった。
って
すごく嬉しくなってしまった。
蕾がほどけて花が開くとき
新しい葉っぱが出て来るとき
新しい息吹が
まるでその場の空気を濃くするみたいに
光がきらきら空気の粒に反射して
息を飲むってこういう事かも。
膝小僧を抱えて少しの間だけ一緒に日光浴をさせてもらった。
どうやらまだやっぱり夏のミシガン。
茄子も大きくなったよ。