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タントラ・セックス教室というものにガールフレンドに連れて行かれた。残念ながら、乱交など怪しいものではなく、西ロンドンの教会を改修したおしゃれなスペースでスピリチャルな身体の感覚を発見しようという趣旨であるようだった。ロウソクの火がゆらゆらと揺れていた。
25人ぐらいの出席者は、だいたい30歳ぐらいが主流で男女比率は半々ぐらい。職業としてはメディアや専門職が多いと見る。文字通り虹色の髪のパンク女などもいた。 なぜ、タントラ(セックス)に興味があるか参加の意図を説明した。私は「仏教とか舞踏とかに興味があり、タントラにも少し興味があります。今回ガールフレンドに招待されてタントラがなんたるか発見しにきたのです」と言った。ガールフレンドは社会現象「SLOW」について興味があるなどを説明した。他の人もふがふがとちょっとニューエージ的な関心をしゃべった。 驚いたことに知り合いがいた。某有名ビジネススクールを卒業したマレーシア人が太った腹をつきだして私の向こう側に座っていたのである。確か、彼は3人子供がいて奥さんがいるはずでは... 私が挨拶したとき、彼が少しうろたえた感じがしたのは気のせいではあるまい。「ネットサーフィングをしていて、タントラ(セックス)教室のサイトに到達したので...興味本位に」などと言っていたっけ。 主催者は30歳ぐらいの小鹿のような可愛い顔をしたオックスフォード大卒の女性だ。斜視気味でときどき怖い目になることもあるが、とてもチャーミングだ。 右手をぐるぐる回して、その右手を左手に近づけていくように言われる。なるほど、熱やエネルギーといったものが左手にも移転していくのが感じられる。 声を出し、床を踏み鳴らして、はじめ人間ギャートルズみたいに歩いたり、頭のタガをじょじょに緩める訓練をした。 「英国人が一日に目を他の人と合わせるのは平均で3秒よ。でも、このセッションでは見つめ続けるの」とバンビ女性トレーナーが言う。ガールフレンドの見慣れた目ではあるが、見つめ続けるというのは、不思議なものである。 トランス系の音楽を鳴らし、身体をじょじょに振動させるように指示を受ける。小鹿女の煽り方や言葉の力はたいしたものだ。 ファイブリズムという集団ダンスや、ルドルフ・シュタイナーのオイトロミュー・ダンスなどをやったことを思い出した。ガールフレンドとずっとペアになって、いろいろなことをやり、身体だけでなく心も近いように感じた。まあ、よいものだなと思った。 しかし、それにつけてもマレーシア人の結婚生活は大丈夫なのかと思った。当然、彼は奥さんには「今晩、タントラ・セックス教室に行くから遅くなる」などは説明していなかっただろう。 また、このようなニューエージ系のイベントには少し隠れた商業主義というものに対する猜疑心というものが私にはある。小鹿女性が私とガールフレンドに「あなたたちは、タントラを深く理解しているような気がするわ」と言ってきたときに、私はお世辞ありがとうという顔をしたが、心ではへへんと思っていた。しかし、こういう言葉は大切に受けておくべきではなかったかと思う。 子供のときは雑誌「ムー」を読んで宇宙人に誘拐されることを夢見ていた私は40歳近くになっても「不思議だが本当だ」ワールドからは抜けられないのであろう。タントラ・セックスでも何でも来いだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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