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カテゴリ:MUSIC
ふっふふ。全国のジョイ・ディビジョンや80年代後半ニュー・ウェーブファンには、まさにタイムワープした気分になる音の、She Wants Revengeのギグに行ってきた。
売れないヒップホップをつくっていた2人のDJがつくったバンドは、金儲けのために方向転換したと疑われ、「オリジナル性の無さ」から、批評家からは「ジョイ・ディヴィジョンのモロパクリで素面でやっているとは思えない」とけちょんけちょんである。 曲のタイトルまで"Tear her apart" "Out of control"なので、確信犯の臭いがしてくるのは否めない。 ヴォーカルは、アフリカ系の血がかなり入っていると思われるカルフォルニア出身の男で、プリンスに似ていないこともない。ステージでは、ヴィクトリア調ともいえるヒラヒラの飾りつきのシャツにもはや誰も着ないベストをつけていたので、「アメリカ人の考える英国貴族っぽい服」を着ていたと考えられる。 アメリカのGOTHにとって英国は、切り裂きジャックとロンドン塔のゴシックな世界で、一種のあこがれがあるらしい。ネットサーフィンをしていたら、アメリカ人のデュオで「ロンドン橋落ちた」というタイトルの曲をシングルとして出した輩がいて、腰がくだける思いがした。She wants revengeさん、そんな服を着てはダメです。 アメリカのスノップで拒否反応がある音楽は、さらにスノッビズムが激しい英国では受けるはずがないとも考えられる。一流バンドは20ポンド以下ではギグをやらない市場で、入場料を8ポンドしかチャージできないことからも、She wants Revengeさん、申し訳ございませんが、お引取りくださいというメッセージがちらちらしていた。 しかしっ!そんなことはどうでもよいのだっ!この手の音が私は好きなのだ!責任者を呼んで来いっ! 英国貴族っぽい服を着た、プリンスもどきがモリッシーのようにくねくね踊りながら、イアン・カーティス風の深い声で歌う。むっつりしたギタリストはどっか性格がジョニー・マーみたい。西海岸経由の80年代マンチェスター・サウンド。これは、奇怪だ。ああ、私は誰、ここはどこ?今は何年だっ? デブのアイライナーを塗ったGOTH女が、私に冗談を数回言った。脳みそが電子レンジで調理されたような気分になっており、彼女が何を言ったのかよくわからん。気が弱そうな微笑みを返し、狂ったように踊る。ああ、幸せだ。青春よ、もう一度。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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