NECのC&C賞:インターネットの父とi-modeが受賞
情報処理や通信技術の研究活動を奨励している「C&C振興財団」(理事長、佐々木元・NEC会長)は、05年度の「C&C賞」を、NTTドコモで「iーmode」を創出した松永真里氏(現・バンダイの取締役)ら3人とインターネットの基礎を築き“ネットの父”と呼ばれるロバートE・カーン博士ら3人の計6人・2グループに贈ることを決めた。各グループには1000万円の賞金が贈られる。また、受賞者6人による講演会を13日午前10時~午後4時、東京都千代田区飯田橋3の東京コンファレンスセンターで開く。参加は無料。 「iーmode」創出での受賞者は、松永氏のほか、NTTドコモ東海の榎啓一社長、NTTドコモの夏野剛執行役員。当時、NTTドコモ・ゲートウェイビジネス部企画室長だった松永氏が発案。夏野、榎両氏らが技術開発を進め、携帯電話とインターネットを融合した新しい情報端末を作った。世界中に展開可能なビジネスモデルにまで高めたことが評価された。松永氏の受賞は、21年の歴史を持つC&C賞で、女性としては初めて。 インターネットの基礎構築分野での受賞は、カーン博士のほか、ローレンスG・ロバーツ博士、レナード・クラインロック氏。3氏は、情報通信ネットワークの根幹となるパケット交換原理を提唱し、異なるコンピュータがネットワーク上で相互通信可能にするTCP/IPを発明するなどして、インターネットの枠組みを構築した。 同財団の並木淳治・専務理事は「これまでは半導体やエレクトロニクスなどの分野での受賞が多かったが、今回は実生活に役立っているインターネットや携帯電話などの分野での研究開発に目を向けた」と説明した。 C&C振興財団は85年、エレクトロニクス産業の発展を目的に設立。「C&C賞」のほか、若手研究者や外国人研究者などへの助成を行っている。【野口美恵】C&C財団http://www.candc.or.jp/