ベトナム、通貨ドンを切り下げ
ベトナム、通貨ドンを切り下げベトナム国家銀行(中央銀行)は17日、通貨ドンの対ドルレートを約2.1%切り下げると発表した。18日から適用する。為替の中心レートは1ドル=1万8544ドンから1万 8932ドンとなる。ドン安による輸出拡大で貿易赤字の増加に歯止めをかけるとともに、政府の今年の目標である6.5%成長の達成を確実にする狙いがある。 国家銀は17日、通貨ドンの切り下げをホームページで発表した。正確な切り下げ率は明示しなかった。 欧米各国などで景気の先行きが不透明なことから、ベトナムでは輸出が低迷。貿易赤字の拡大がマクロ経済の不安要因となっていた。このため国内では昨年11月(5.44%)、今年2月(3.36%)に続いて国家銀がドンを切り下げるといった観測が浮上していた。 ベトナム国内ではドルが慢性的に不足し、貿易決済用の資金を手当てすることが難しい状況がしばしば発生している。今回のドン切り下げには輸出拡大で外貨を稼ぐ狙いもあったとみられる。 ドンの切り下げは輸出拡大につながる一方、輸入物価を押し上げ、国内のインフレ懸念を再燃させる可能性もある。ただ足もとの物価は比較的安定していることから、国家銀は2%程度の切り下げであれば急激な物価変動につながる可能性は少ないと判断したもよう。http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E5E2E1848DE3E5E2EAE0E2E3E29494E0E2E2E2