もしも、夫のスマホに
素肌をあらわにした見知らぬ女性の画像が残っていたら…
黙って削除する? そのまま気づかぬフリをする?
それとも…
毎朝、保育所へと出陣するひいさまの髪を
良きママであるひいちゃんがきれいに編み込むんですが、
幼児ですから一向にじっとしてない。
そんなひいさまの頭を固定させるべく、
今朝はダーリンが、
自分のスマホに保存してある写真を見せとりました。
ほら、ヘリコプターやで!
これ、戦闘機!
カッコええやろッ!
鼻の孔ふくらますダーリン。
その後も、産卵中のカエルやら飯喰らうアルパカやら、
何の脈絡もない画像が次々と。
ひいちゃんは、娘の髪を編み込むのに余念がありません。
が。
一瞬、ちらっと、ありえない画像が、目のはじっこに…
ぱぱッ、これなにッ!?
ひいさまのほうが、一瞬早かった。
え… あ… あ~…
どっかのサイトからとったヤツ…かな…?
どない聞いても、幼児への説明とは思えん。
それは、まぎれもない、
若い女性の、ウエストのアップ。
ほんの一瞬目に映っただけやのに
なぜか鮮明に瞼に残ってしまったその残像…
薄暗い部屋の窓辺とみられる背景に
きめ細かい白い肌、
おへそのよこにホクロがみっつ、
そいつが妙になまめかしい。
ひいちゃんは無言のまま、
右手に持った赤い櫛で、
ダーリンのでぽちんをぺちっとしばいた。
いでっ!
妻からの突然の狼藉に対し、
ダーリンはそれ以外に何も言わない。
こんなエロっぽい画像保存しときやがって。
そっからはじまったちっちゃいモヤモヤが、
急速に成長して爆発寸前になった。
胸がドキドキする。
自分の手が、小刻みに震えとるのが分かる。
無言のまま娘の髪を結いあげたひいちゃんは、
おもむろに席を立ち、
リビングを出て、
自分のカバンとお弁当だけ掴んで家を出る。
毎朝家を出る時刻よりずいぶん早いので、
ダーリンは気づかずにひいさまとテレビ見とる模様。
せめてもの情けや、車は置いといたる!
白く凍ったようなアスファルトの歩道を
とぼとぼオフィスに向かって歩きながら、
足には全く地面を踏みしめとる感覚がない。
いつ?
どうやって?
ダーリンは、あんな若い女と密会を楽しんで
おお~ッ、きれいなクビレやねぇ!
シャメ撮らしてッ、
おっ、いいよ、いいよぉ~!
なんちゅうて、彼女の部屋でいちゃいちゃと…
いや、何かの間違いや、ダーリンに限って…
いやいや、分からんで!
世間のどこにでもあるようなことが、
ダーリンにだけ有り得んと誰が言える!?
ああ、悪夢や…
宇宙突き抜けるほど睦まじい家族やと思っとったのに、
こんな風に足元すくわれるやなんて、
夢にも思わんかった。
これからどんな展開になるんやろ、
ひいさまと二人でやっていけるやろうか…
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