自称、永遠の28歳。
実情、ぼちぼちドモホルンリンクルがなくては生きてゆけない世代。
けど、ずっとずっと膨らませてきた妄想がある。
いつかそのうち、そのうち…
なんぼ待っとっても、そのうちはやってきません。
棚からぼたもちは落ちてきません。
今年は、『すべての願いが叶う』と神様からお墨付きをもろたのに、
もう11月…
なんぼすべての願いが叶うというても、
自ら向かわねば叶わん願いの方が圧倒的に多い。
だから、決めた。
今こそ、行くんや!
…教習所。
バイク、乗りたいんです。
いや、わかってます、才能ありません。
原チャも乗ったことありません。
けど、為さねば成らぬ、何事も…
そして、ひいちゃんは叩く、教習所の扉…
・・・いや、きょおび、
叩く前に開くやろ、扉。
なんという、レトロ感漂う事務所…
受付のオネエサンに、
あのっ、あのっ、
こないだ資料送ってもろたんですけどっ、コレ!
思い切って、声をかけた。
力みすぎて、声がかすれとる。
オネエサン、ちょっとひいとる…
あのぅ~…
原付も乗ったことなんですけどぅ~…
きょとんとするオネエサン。
・・・大丈夫でしょうかっ!?
言い終わらん間に、
ご不安でしたら、一度原付お試しになってみては?
おうちに、原付ございませんか?
い、いや、ちゃうねん、
ホンマは、挑戦する気マンマンで来てん、
教習料金ドブに捨てても…
ただ、『大丈夫です!』の一言が、欲しかったんや…
もじもじしてたら助け舟。
オネエサン、資料の送付状に目をとめて、
あ、年代を気にされてたお客様ですね。
ちょうど、お客様のご世代で、
先週免許取られた女性がいらっしゃいますよ!
いや~ん、最初から言うて、それぇ~ん。
ほな、がんばってみますっ!
いざ、手続き…と思ったら、その前に適性検査…
事務所の奥からちっちゃいおっちゃんが出て来て、ついといで、と。
とことこ着いてったら、
おっちゃんはおもむろにバイクをねじ伏せ、
これ、起こしてみて。
は、はぁあああん、コレ、聞いたことあるで。
テコの原理で、簡単に…
簡単に…
か・・・
起きんがな。
コレ、何キロあるんや…
200キロくらいかな。
こら~、さらっと言うな、さらっと…
ひいちゃんの体重の4倍以上あるがな。
こんなもん、押しても、ひいても…
くそぅ、ここであきらめるんか!?
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