テーマ:政治について(20208)
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NHKにて「白熱教室」という番組が評判を呼んでいるらしい。 ハーバード大学の人気講義の放送らしく偶然に深夜に一度興味深く 視聴したのだが、その後機会を逸していた。 「Justice(正義)」と銘打たれたこの講義はマイケル・サンデルな る教授が学生との対話形式で社会学的テーマの現代社会での実際の 解釈に新旧の哲学者・思想家の解釈を重ねて、断定的でない「議論」 として進められていた。 実はその深夜の放送は再放送で、日曜日の午後6時から本放送が組 まれていた事もネットの記事で初めて知った。先程見逃した講義群 のテーマ一覧を見たのだが惜しいことをしたと思う。 直前の講義は「能力主義に正義はない?」というものであったらしい。 ここに取り上げられるジョン・ロールズという学者の著書である「正 議論」は、随分と昔に知人から薦められて「読まなければいけない」 と思っていながら結局手付かずのままでいた本だ。 社会正義の定義を、国家・社会における資産の再分配法にまで及んで 言及したという考えは表層的に捉えると社会主義的傾向に捉えられる が、格差と貧困が増長されつつある現在社会に参照されうるものであ るのかもしれない。 今度の土曜日深夜の再放送と日曜の本放送は見逃さないようにしたい と思う。
このマイケル教授はコミュニタリアンの支柱とも呼べる存在であるら しい。「小さな国家」による最低限の個への干渉では、最早現代人 間社会は回らない状況になってきていると思う。それ故の自由主義・ リバタリアニズム・リベラリズム・能力主義・帰結主義への懐疑であ り「社会正義」の視点なのだろう。 講義にも放送にも共感を得る人が多いのは、その深層にある知的生物 としての生存本能が「観念的な自由」が齎す危機を感じ取っている所 為かもしれない。 「個と個」「個と国家・社会」の関係性の再認識から始めて「共同体」 としての人間社会を再び見つめなおす時期に来ているのだと思う。
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