テーマ:徒然日記(23463)
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私が震災対策の仕事で行った先の目と鼻の先に茨城県東海村があった。 言わずと知れた東海発電所がある地域だが、日本初の第一原発は現在計 画的廃炉作業中であり、第二原発は震災後停止されたままの状態だ。 実はこの東海第二原発も東日本大震災で非常に危険な状況であった事が 報告されている。3台ある非常用電源装置の内の1台が津波で水没し、 残りの電源2台で三日半後にようやく冷温停止にこぎつけたという。 この情報は約2ヶ月後の新聞報道で明るみに出て、地域住民に説明され たのが5月17日だった。想定外の状況でも冷温停止出来たという事で 評価する人達も居るのだが、さすがに原発で潤って来た当地でも脱原発 の気運が高まって来ている様だ。
ただ、脱原発も容易ではないという現実をここ東海村に見て取れる。 1998年に計画的に運転停止された日本最初の原発である東海第一原 発1基の廃炉処理が終わる予定は2021年。それも大幅に遅れる可能 性が高く、30年以上は掛かるだろうといわれている。建設当時に一基 あたり200億円+αと見積もられていた廃炉費用も現在では1000 億円+αに跳ね上がっていて青天井状態だ。 しかも高レベル廃棄物の保管期間に到っては数百年から数万年て・・・ こんなのを見積りとか計画とか言えるのだろうか? しかも、これはあくまでもたった一基の原子炉を計画的に廃炉した場合 で、今回の福島第一原発の事故処理は一兆円とも言われているらしい。 福島第一原発には6基あるので大雑把に計算しても6兆円近い額が必要 になるのだろう。これに被害補償費用まで入れた途方も無い数字を算出 出来る術はあるのだろうか? 日本にある全ての原子炉を安全な形で廃炉するとしたらどれ位の年月と 費用が掛かるのだろう?・・・残された放射性廃棄物の保存まで考える と暗澹たる心持になる。 もう一箇所でも同様の事故が起きたら間違いなく我が国は破綻する。
経済産業省では震災前から原発を「9兆円の不良債権」と呼んでいたら しい。担当省庁である彼等には、ある程度は原発事業の脆弱さが解かっ ていたのだろうと思う。 9兆円などという端金では済まなかったが・・・。
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