テーマ:政治について(20208)
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TPPについての世間の騒動を暫く静観していた。 前回の日記での原発の問題も根っこはおなじなのだが、何事にも戦略が 無く全てが事後対応にとなる我が日本国は如何しても「追い込まれてか らの対応」を迫られる形になる。 初期に騒がれていた多国間的FTAとしての農業問題だけなら、日本の 農業再生の起爆剤として参加推進の立場を私は明言していたのだが、実 際には多国間のEPAの様相であり、21項目(実質24項目)ともい われる自由化内容を考えると情報が少ない事もあり、どちらへ進むべき なのか問題は単純ではなくなって今日まで迷っていた。
世界同時不況の中、現在の日本国もジリ貧だ。 TPPに参加してもしなくても、我が国の産業の空洞化は進み、農業も 衰退の一途を辿る。 米国、EUの状況をみれば円高傾向も当分続くだろう。 我が国はこれから何で飯を食っていけばいいのだろうか?・・・ 我が国の国家デザインが混沌としている事がTPP問題を余計に複雑に する。
何事もそうだが、こんな時は「いま直ぐにやらなければならない事」に 目を向けるべきだと思う。 まずは危機的な円高だ。 米国の「ドル安意向」もあるし、小手先の単独為替介入等役に立たない のだから、戦略的に「逆手」をとって円高を国益に結びつかせるしかな い。消費者にとっての円高差益を享受しながら国家規模で海外投資を一 気に増やすべきだろう。将来訪れるであろう「急激な円安(ハイパーイ ンフレの恐怖)」に備える為にも「円高による一方的な不利益による体 力の消耗」を放置しておいてはいけない。現在、海外投資によるリター ンは20兆円足らずだが全く足らないのだ。 海外投資リターンを国内に還流させる為のシステムの構築は必須だが、 TPP参加は其の海外投資の際に圧倒的に日本に有利に働くのは間違い ない。 為替介入等という姿を変えた「企業補助金」で国家財政を縮小させ続け る愚かさから脱却しなければ日本国の破綻は近い。
反対派の意見にはTPPが「実質米国協賛協定」「不平等協定」とい うのがある。その通りなのだが「それが如何した?」と思う。 TPP開国論など嘘っぱちだというのも尤もだが「今更!」という感じ だ。日本国は戦後一貫、圧倒的米国優位という現実を踏まえながら創意 工夫(自己欺瞞ともいえるが)を凝らして相対してきたのではないか。 私は離米の方向性を支持して来たが、当分現在の状況は続くし、米国抜 きの国際協調など非現実的だと思っている。 TPP協議に参加し、米国優位の中で少しでも我が国の国益に叶うもの にするしか道は残されていないだろう。であるから事前の協議に参加す る事さえ反対する我が国の世論は真に残念だ。
TPPは米国が「中国牽制の為の枠組み」として発案した側面もある。 経済的には米国より中国依存度が高い我が国は高度な外交が求められる だろうが、これをチャンスと捉えるべきだ。 TPPの枠組みの中からアジアの代表として米中間の緩衝材的役割に自 ら名乗って出れば新たな日本の役割と国家の展望も見えて来る。 ここでは既成事実となった日米基軸のTPP枠組みと、巨大中国にとっ て不可避の多国間経済協力の必要性が我が国の味方となるのだ。 仕事で頻繁に海外へ出掛ける人々の意見で最近頻繁に見聞きするのが 「日本スルー」だ。 場面場面で無視されたり、相手にされなかったり、世界での日本国の存 在価値が落ちつつある状況も打破しなければならないだろう。
久しぶりに日記を更新しなければと思うままに徒然と書いて来たが、 結局私はTPP推進派という事だろう。 参加すれば反対派意見の問題は起るだろうし、不参加なら推進派意見 の問題が起る。いずれにしても事後対応に長けた?我が国は何とか辻 褄を合わせるのだろうが、静かな衰退を待つより、大規模な制度改革 と認識の変容を我が国に強いる事になるTPP参加を後押ししたいと 思う。
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