テーマ:政治について(20207)
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タイトルは12日付の読売夕刊の一面の記事の見出しである。
日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推 進室長であった中村裕輔東大教授が、室長を辞任してシカゴ大学に移 籍するという。 「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが無力を感じた。日本で研 究した新薬を日本の人達に最初に届けるのが夢だったのだが。せめて 米国で新薬を実現したい。」という中村教授の言葉も一緒に掲載され ている。 日本の硬直化したシステムを見限っての海外への優秀な頭脳の流出は 今に始まった事では無いのだが、医療分野は民主党政権下での成長産 業の目玉と言われていた分野であり、内閣官房室直属の機関でのネガ ティブなこのニュースに大きな失望感を覚える。 製薬業界は特許切れ問題とジェネリック薬品の台頭で危機に直面して いる様だし、国内にこんなに多くの製薬会社を抱えながら医薬品は 1兆1千5百億円もの輸入超過になっているという現実を新聞で初め て知った。 こんな状況下であるのに、中村教授を神輿に乗せたきりで民主党は何 をしていたのだろうか? 医療分野以外の成長が期待される分野でも改革によって希望が見える 施策が何かあっただろうか? 経済用語で景気循環波動の一番長いものに「コンドラチェフの波」と いうのがある。これは簡単に言うと技術イノベーションによる産業復 興が50年から60年前後で在るだろうというものだ。 国内外の状況を考慮すれば、我が国がお家芸であった自動車産業や電 機産業で国民を食わし続けるのは最早無理であろうというのは皆が何 となく解っているのだが、次のカードが見えて来ない。 種も撒かず、育成もせずして「コンドラチェフの波」など我が国に訪 れるのだろうか? 期待されている環境技術にしても農業技術にしても世界に伍する基礎 技術は持っているのだが希望の見える形に出来ないのは何故か。 我が国に必要なのはイノベーション以前の精神的な認識のリボリュー ションなのだろうなと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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