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2012.04.10
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テーマ:徒然日記(23463)
カテゴリ:カテゴリ未分類
私の所在の周りでも、現在は桜の花の真っ盛りだ。

私は植物を愛でるタイプの人間では無いが、この時期に幾重にも

満々と咲き付いた花の重みで自らの枝を撓らせる桜の木の様を、

それも何時も見慣れているハズの川の辺に、凡そ数えることも躊躇

われる程に並び立つ桜の木の様を見る度に圧倒されてしまうのだ。

何故に之ほど圧倒的に咲き誇らなければならぬのかと、

想う程に悩ましい。


梶井基次郎は「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる」と表現した。

成る程、なんとも素敵な言い回しに同意するしかないと畏れ入る。

屍体の一体でも埋まっていなければ、桜も之ほど狂った様には咲け

ぬだろうと妙に納得させられてしまうのだ。


ひととせの間の、この花の盛る刹那に限って人は桜の木の下へいざ

なわれる。

其の下で飲み、歌い踊り、語る人々の多くが自ずから参集したと信

じて疑わず、他意の在るを知る者は少ない。

桜が己の弔いの為に花を咲かせ人をいざなうのだ。

葉桜となり、枝葉と成り果て寂びるその前に、ここぞとばかりに盛

大な弔いを自らが執り行うのだ。

でなければ、

桜の花がこれ程に妖艶に咲き乱れ、

        潔く散り切るはずがないではないか・・・・・・





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最終更新日  2012.04.11 01:16:39
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