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2014.04.15
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カテゴリ:映画
14日(月)に家内と銀座シネスイッチで鑑賞してきました。
本国フランスではドキュメンタリー映画としては異例の200館で上映され各国で賞賛を浴びている映画なのですが、私の住む埼玉県では上映館は無く、東京都でさえたった一館の上映という寂しい日本の現実が少々悲しく思えます。

ケニア、アルゼンチン、モロッコ、インドの僻地に住む4カ国4組の子供達の過酷な通学風景をオムニバス形式で治めたドキュメンタリー映画なのですが、上映が始まって暫くの間は冗長的な長回しが続いて日本人がドキュメンタリー作品で慣れ親しんでいるナレーションも入りません。私は此の時点で観客が飽きてしまうのでは?と少々不安になりました。事前に予告や関連記事に目を通していると話の背景が最初から解るのですが、ここらへんの「おもてなし感覚」の違いは日本人とフランス人の違いでもあるのかもしれませんね。
全体を通して、ドキュメンタリーと銘打ちながらカメラワークと会話の「お約束」が伺いしれて少々白ける部分があるのも残念なところです。

のっけからネガティブな印象を書いているのは、日本人観客が先ず間違いなく指摘しそうな部分への防波線ですので悪しからず^^;

ですが、観ているうちに彼等を取り巻く過酷な自然に同居している広大さや美しさに惹きこまれて行きます。毎年4.~5人の子供が犠牲になるサバンナを駆け抜けるケニアの兄妹。美しくも危険なアンデスの山々を馬で超えて通うアルゼンチンの兄妹。毎週月曜に22キロの険しい山道を経て全寮制の学校「アスニの万人のための教育」へ登校し、週末に再び家に帰るモロッコの3人の女の子。足に障害のある兄のボロボロの車椅子を2人の小さな弟達が押し、引いて毎日片道4キロの不整地を通うインドの兄弟。
彼等の日常が我々にとって如何に過酷か、我々の生活が彼等にとって如何に異次元で恵まれたものであるか改めて知る事になります。
そして、最後の個別のインタビューで彼等はお互い遠く離れた場所に居ながら同じ事を言うのです。
「勉強して、家族や困っている人間を助けたい。」と・・・

「学ぶ事の大切さと、その意味」を彼等は子供なりに理解しています。彼等に与えられている環境は単に「働けば裕福になる」という様な環境ではありません。学ぶことで自分の環境を変える事が自分や周りの人間の幸福に繋がるという実感があるのでしょうね。

実は日本でも私の父親の世代には同様(もっと酷かったかも)の状況があったのです。貧しい家に生まれた私の父親は弁当も持たずに4里(16キロ)の山道を裸足で学校に通いました。ドラマやアニメの「おしん」の世界もほぼ実録で、同じ様な体験は現在でも日本のお年寄り達から聴く事は可能でしょう。
1)「学びたくとも学べない」
2)「学びたければ学べる」
大凡この2つのどちらの子供が多いかだけでも国の「経済力」や「民度」さえ計れる様です。 
教育は国の根幹ですね。


予告直後の日記の感想からのトーンダウンはお恥ずかしい限り^^;
映画自体の出来はネガティブな感想にあった様な議論を呼ぶ可能性がありますが、鑑賞後に色々と考えさせてくれる映画である事は確かだと思われます。





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最終更新日  2014.04.16 14:12:24
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