テーマ:徒然日記(23454)
カテゴリ:建築
降り棟・隅棟・利根丸は繋がっていますのでワンセットの工事となります。 まず、施工前の状況の把握から この拝殿降り棟の鬼瓦が倒れて「棟の劣化」に気が付かれた様です。セメントと針金で応急処置がなさていますが参拝者の頭に落ちなくて幸運でした。他の鬼瓦もこんな感じ・・・
棟積みに利用している粘土の劣化、棟瓦を結束している銅線の腐食消失などが相まって崩落寸前という処です。本来は雨水が通り抜ける入母屋トンネル部には永年の枯葉と泥埃が溜まってダム状態となって草が生えていました。 隅棟・降り棟・利根丸共に重力方向に潰れるようにズレ落ちていて、チョットした切っ掛けで崩落寸前の状態なのですが、よく3・11でバラバラと落ちなかったものだと思います。「落ちそうで落ちない、落ちなそうで落ちる」・・・ここ等辺の外部衝撃と重力・摩擦といったエネルギーのバランスの加減は「永年の勘」でもよく解らないところがあります。 「今日まで落ちなかっただけめっけもん!」というのが正直なところでしょうか。
さて、いよいよ 修理にかかります。既存棟は結束銅線が棟瓦の外側を大回しで回して結んでありましたが此れは一般家屋向けの汎用工事法です。昨今の酸性雨を直接受けて腐朽し易く見栄えも良くありません。今回施工では棟の内側にステンレス線を中通ししなから結束していきます。既存の棟瓦は中通し用の穴が開いておりませんので解体しながら同時にドリルで穴を開けていきます。剥がした瓦はブラシで一枚一枚こすってこびり付いた粘土や漆喰を掃除してステンレス線を事前に通して結んで置きます。
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最終更新日
2015.09.08 11:06:12
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