テーマ:徒然日記(23457)
カテゴリ:建築
蓑甲破風下の水切り熨斗を解体してやり直します。今回の工事は原状回復工事が基本ですが一度崩落して素人手で漆喰を塗りたくってある此の部分だけは形状を変えて瓦も全て新規のものに交換いたします。 解体してみるとやはり結束が無く粘土の上に熨斗瓦を乗せて漆喰を詰めてあるだけでした。
瓦を留める木下地がありませんので足場金具と貫木とシリコンで下地を自作します 一段目は紐熨斗瓦で踏ん張らせて白南蛮仕様で水切り熨斗を仕上げます
続いて幣殿に移ります。 幣殿の銅製の雨樋とアンコウ(集水マス)には写真の様に多量の枯葉と泥埃が溜まっています。此れを掃除し、板金周りの瓦を水返し用のスポンジ面戸を使用しながら調整します。
幣殿の棟も仮外しして解体し、白南蛮仕様・ステンレス線中通し結束で積み上げます
ここまでが社殿の当初予定工事全てですが職人の自己判断で幾つかサービス工事をしましたので記録しておきます。 1)拝殿の大棟も取り直しをしたい処ですが其れだけで見積もり額が倍額を超えてしまいますので今回工事に関しては見送りました。若干のズレを補正してから目立たないように大棟に使用されている瓦全て一枚一枚の結合部上部にスポット付けでシリコン処理をしておきました。屋根に上がって余程近くで見ないとわからない程度です。一般家屋で棟の取り直しまで予算が組めない時の手法で若干の強度UPとズレの防止が担保できますが充分な工事では無い事の事前の確認をお願いします。
2)今回は本殿屋根は全て施工対象外となりました。状況は拝殿と同様ですので立ち入り規制で対応して頂く事にしましたが、降り棟鬼瓦と風切り丸の巴瓦に若干の落下防止策をしておきました。 南面の鬼は目立たないようにステンレス線による補強、北面は急勾配ですので足場金具とシリコン、アルミ材を使って「つっかえ棒」をしておきました。巴瓦は南面・北面共にステンレス線で吊り込んでおきました。 充分な工事では無い事の事前の確認をお願いします。 本殿の降り棟は元来余計で必要無かった思われます。次の機会があれば撤去廃棄してしまっても良いと思われます。 次ページに続きます
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最終更新日
2015.09.09 04:35:21
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