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2020.11.07
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カテゴリ:映画

SFの名作「INTER STELLER」を撮ったノーラン監督の新作「TENET」を観て来ました。

INTER STELLER」に関しては6年前に記事で取り上げています。

「インターステラー」を観てきました

 

インターステラーは「重力と次元」にフォーカスされていました。TENETは「時間」がテーマになっているという前振りだったので可成り期待していたのですが・・・
結論を先に言うと

私の鑑賞後の評価は★一つです(-.-)

 

以下なるべくネタバレを避けますが、予断を入れずに観る予定の人は読まないで下さい。

 

この映画の着眼である「時間の逆戻し」は面白いし専門的でもあります。

今回も科学者の監修が入っているのでしょう。

基本物理法則である古典力学・相対性理論・量子力学が「時間の方向」を考慮しないという解釈をSF的に利用して、我々観客の常識と実感である「時間の矢」を否定し、「スピーディーな逆戻し」による急展開のテンポを楽しみ、遡及因果的感覚と意外性を堪能させるのを狙った作品だったのは理解出来ます。

ネタも着眼も良かった・・・では何が駄目だったか?

身も蓋も無い話になりますが、SFジャンルとかネタとかを語る以前に、単純に「物語が詰まらなかった。」「人物設定も構成も駄目だった。」という事なのだと思います。時間を順行しようが逆行しようが当事者にとっては順行でしか無いのですが其処が上手く処理されていなくて、ただ騒がしく時間を行ったり来たりするだけの理解不能の物語になってしまっています。エントロピーとかアルゴリズムという用語も観客に効果的に説明する科学者的役処がこの手の物語には必要不可欠なのですが、其れも無く消化不良感が残ります。

終盤にインターステラー的な「結局自分だった話」の展開を盛り込んで無難なエンディングを図った形跡が見えるのですが、最早修正不可能という感じのまま終わってしまいました。

 

ノーラン監督作品のコアなファン層には高評価をつける人も結構居られるので「ならではの楽しみ方」もあろうかと推察するのですが、少なくとも「インター・ステラー」の物語としてのクオリティーを称賛した人間が同じセンスで評価するのは不可能です。

映像作品なので言葉と理屈で説明出来る必要は無いですが、おそらくこの作品はアイデアと監督のセンスが勝ち過ぎて「本」がちゃんと出来なかったんでしょうね。

勿体無いな・・・と思います。






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最終更新日  2020.11.08 12:15:55
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