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2005.11.25
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カテゴリ:本・絵本のはなし
子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)


同時平行で、羽仁もと子著作集(16)を読んでいるのですが、どちらからも同じメッセージを受け取って驚きました。




本文から引用します。

「美しく秩序ある生活、それを細やかな心をもって生きること、日常の仕事を神の愛のために行うこと。これらは、どんな人間でも成し遂げることのできる、もっとも気高い統合の形です。」

「われわれの魂は、仕事を変えることによって聖別されるわけではない。今まで自分のためにしてきた仕事を、神のために行うことによって聖別されるのだ」


羽仁もと子さんの著書にも、私たちが日々の生活をひとつひとつ大切に生きること、それこそが本当の変革なのだとありました。




こどもたちのスケジュール帳をいっぱいにして、こどもたちに孤独のとき、沈黙の時を許さず、次から次へと刺激に身をさらし、外側の世界に反応することに多大のエネルギーを費やしてしまう今の時代。

そのためにこどもの内面生活や想像力創造性の成長を阻止し萎縮させてしまっていることを著者は懸念しています。

こどもがひとりでいることのみのりとは、自分がだれなのか、何なのか、どこから来たのか、この世界のどこに自分の場所があるのか、を感じること。そして大宇宙と積極的で安定した関係を結ぶことから、万物と遊ぶ自由が生まれると著者はいいます。


それでは、そのために私たちができることは何なのか。
ここで冒頭の引用文に戻ります。

四方八方に動き出し、行動することではないと著者は言うのです。

まず、大人の私たち自身が孤独の意味を知ること。
沈黙を守り、いつもの生活を細やかに祈りをもって行うことですね。



「食事を始める前のほんの短い沈黙のときが、まるでさわやかな風が吹き抜けるように、それまでわきかえり、渦巻いていた空気の流れを、さーっと静め、我が家を清潔で快い場所に変えてくれます。」

これは実感としてわかります。
食前のお祈りをしないで食べ始めてしまったとき、、、を想像すると^^;




「むしろ、何もすることがない時間こそが、人を創造的な活動に導くただひとつのものなのではないでしょうか。・・・・その(時間の)ほんとうに正しい使い方に関しては、外側の予定表作成者より「内側の予定表作成者」のほうが、よい導き手ではないだろうか、と申し上げたいのです。外側の予定表は、心にとって本当に大事なことを、いったいどうやってそこにくりいれることができるのでしょう・・・・・「内側の予定表作成者」が口をはさむことができるように、生活の中に、思い切って自由な時間をとることが、はたしてわたしたちにできるでしょうか?霊の輝きに照らされた知性の働きを信じて、思い切ってそれに身をゆだねることが、はたして私たちにできるでしょうか?」


思い切って身をゆだねること、、、、これも私に足りない重要なことなのでした。



初期のクェーカーの宗教教育の処方というのもステキでした。

*家族や友会のなかで、実際に神の導きに従って生きている人の生き方を例として見せること
*家族や友会の礼拝の折に、宗教的経験をする機会を十分与えること
*聖書を読み、かつひとりで自分を見つめるための時間を与えること


シンプルだけれど、大切なことですね。
なかでも模倣の時期の娘にとって大事なのは一番上の項目でしょう。
これが一番の難問だったりもするけれど^^;



大きく動こうとするのでなく、まず日々の当たりまえの生活をひとつひとつ細やかな心で祈りをもって暮らして生きたいものです。
これが2冊の本から同時に与えられた、今の私に必要なメッセージでした。



最後に「親たちのための祈り」が載っていました(原書では冒頭に載っているそうです)

全部引用したいくらいですが^^;抜粋して・・・。


「・・・この世の重みを私たちの肩に担おうとする冒涜から、私たちを逃れさせてください。・・・私たちが、行動を理解と、忙しさを気遣いと、扇動を愛情と取り違えることのないように助けてください、私たちが、行動と忙しさと扇動によって子どもたちの前に立ちはだかり、子どもたち自身がそこから飲まなければいけない生命の水へ行きつくのを、妨げることのありませんように・・・・」











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最終更新日  2005.11.25 16:25:21
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