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カテゴリ:亜爾然丁にて
若干の咳が出るものの、風邪のほうは確実に快方に向かっております。
心配してくださった皆様、有難うございました☆ で、今回の風邪で今まで味わったことの無い非常に貴重な経験を致しました。 それってのは・・・「舌が死んだ」。。 今まで40℃の熱が出たときも、風邪でフラフラになって倒れそうになったときも「舌」つまり「味覚・嗅覚」が利かなくなったことは過去の料理人生活で一度も無かった。貴重な経験と言うよりも、味見をしたときに塩分濃度の反応しかしてくれない自分の舌にマジでビビッた。 味の構成というのは本当に複雑なもの。塩分濃度だけが分かっても香り、甘味、酸味などは一切反応してくれない当方の舌。それに伴って、一気に襲い掛かってきた崖から突き落とされるような喪失感と不安。 何度、どんなものを作って味見をしても、酢をそのまま舐めても、チョコレートを食べても 「駄目だ・・・まったく分からん・・・・・」 しかも2日後に、とても大事なディナーが予約されてる始末。 ここで「まだ2日ある」と考えるか、それとも「もう2日しかない」と考えるか。本当に追い詰められた。料理人として舌が利かないんなら右手が無いほうが幾らかマシだ。最大の武器が使い物にならなくなった当方はその日一日考えに考えた挙句、ある結論に行き着いた。 「酒を飲もう」 いや、このときばかしは「飲んでみよう」だったかな。考えてみれば10日間くらい一滴の酒も飲んでいないことに気づいた当方は、きっと酒が足りないから風邪を引いたのだ!と前向きに考え、その日調子が悪いにも関わらずかなりの深酒をした。 結果はご想像の通り。 トイレを目の前にして「もう酒なんか飲まんぞ!」「止めてやる!絶対に酒なんか止めてやる!」「誰だ、酒は百薬の長なんか言ったのは!馬鹿タレが」と言いながらいつの間にやらトイレを枕代わりにして朝方の気温4℃という過酷な条件の中で爆睡をかました。 結果はご想像の通り。 朝、重度の脱水症状と共に奇跡的に凍死寸前で目が覚めて「水ぅ・・・水ぅ・・・・」と言いながら蛇口から出る生水を飲んだら今度は腹を壊し、頭痛、喉の痛み、腹痛、鼻水、関節の痛みと、新たに加わった症状を正に楽しむがごとく仕事へ。 結果はご想像の通り。 味見すらしたくない、身体が食べ物を受け付けなくなった。しかも大事なディナーは明日に迫っている。ココまで追い詰められたらどうにでもなれ!とばかしに自分的に頑なに拒否していた体温を測ってみると、 【36.9℃】 もう駄目だ。やっぱり測らないほうが良かった。実際には50℃くらいはあるもんだと思っていたので若干安心はしたけど、新たに加わった症状と合わせて2回凹む。 午後になり、2日酔いなんだか風邪なんだか分からないめまいも軽く収まり、オリーブオイルをかけて少量のキャベツサラダを食べた。 すると・・・ 「ん?」 (わかる!!わかるぞ!!!オリーブオイルの香りもキャベツの甘味もわかる!!!) と、この日は本当に何とも不思議な体験をした次第です。 え?次の日のディナーですか?そりゃ成功ですよ。っていうか、健康な時よりも数倍冴えてました☆こういう追い詰められたときにしか発揮することのない自分の能力が大好きです。 高熱を出すと味覚が鈍感になるとは聞いたことがあるけど、こんな微熱で味覚が利かなくなるってちょっと反則だよな。ココまでよんだ人に言っても全く説得力が無いけども体調を健康に維持するのも立派なプロとしての仕事ですよね。だから今回の行き過ぎた自分の行いに多少は反省するも、やっぱり「酒は百薬の長」ということで〆の言葉とさせていただきます☆ でも今回、この「深酒」と「凍死」というキーワードが無かったら、もしかしたらまだ味覚が利いてなかったかもしれない。これマジ。本気で焦ったからね・・ PS 現在の健康度 80% お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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