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2006.09.14
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カテゴリ:亜爾然丁にて
「初めまして、宜しくお願いします。Mって言います」

「こちらこそ宜しく。マルティン・ゲバラと申します。キューバ革命ってご存知ですか?あの時、革命に参加したチェ・ゲバラの弟で、僕と彼とは15歳違いです。」

「え??え~~~~???え”~~~~???!!!それマジ???!」

  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今日アルゼンチンワインの試飲会に招待された。

会場はとても広く、中の特設会場には30箇所ほどのワインブースが立ち並び、様々な新作ワインやその年の優秀なワインを試飲兼宣伝という形で催されていた。年に数回こういった形で開催されるものの、ワインがあまり好きではない当方は過去2回くらい招待を断ってきた。

会場に入り、キョロキョロと迷子の子羊ちゃんのように周りを見渡す。「ちょっと場違いなんじゃないかな・・俺には・・」と思いながら、当方を招待してくれた人のいるブースを探した。

ブースに着き、軽い挨拶を交わす。当方を招待してくれた人は、舌の乾かぬ間にビジネスの話を始め、もし日本で売り出すならどういった葡萄の種類が適しているのか、辛口か、はたまた甘口か、それともブレンドか。香りは?適切な値段は?といった事を永遠と質問された。

ああウザイ。

味は解るけど、そもそもワインなんかあんまり好んで飲まないのに。

さっきから「これはどうですか?2006年度の金賞ワインです!」やら「このワイン、評判いいんですよ」など御託を永遠と聞かされ、ワイングラスで15杯ほど試飲し続け、会場の蒸し暑さと相まって段々気持ち悪くなってきた。

ワインを飲むといつもこうだ。

ビール、ウィスキー、バーボン、カクテル。こういったものはいくら飲んでも酔いはしても気持ち悪くはならない。が、ワインは違う。育ちが悪いので、どうもこういうオサレな飲み物は体が受け付けない。コップ2杯ほどで気持ち悪くなってくるのに、さっきから「どーぞどーぞ」と次々に注いで持ってきやがって。

質問にはもう適当に答えて、さっさと退散しよう。

あ~気持ちわる・・・。。

皆がスーツを着て、なんだか上流階級どうしのパーティみたいなのに当方だけ破けたジーンズにズタボロの革ジャン。服装だけを見たらその辺の道で「ウンペシート ポルファボール・・」(1ペソ恵んで・・)と物乞いをしている乞食と何ら変わらない。

この服装もナニがアレだったけど、それにも増して髪形がマズイ。4ヶ月ほど床屋に行っていない当方の髪の毛はエリアシは肩に被さるほど長く、色の抜けた茶髪、しかもヒゲも2週間剃ってないので熊五郎みたい。はっきり言って、どっからどう見ても川沿いで拾ってきた熊のヌイグルミみたいだ。

ココは俺の居る場所じゃないな、帰ろう。

そう思い立って、「まだ飲んでいってくださいよ~」という声を背中に聞きながら前に歩を進めた。出口に近づくと、来場したときには気がつかなかったコジャレた一つのワインブースが目に止まる。

へぇ、見たことのない銘柄だな。ちょっとだけ飲んでみるか。

と興味本位にそのブースへ近づいた。「ちょっとこれ、もらえる?」とグラスにほんの少しのワインを注いでもらった。クルクルとグラスを回し、香りを確認し、口に含んで空気とワインをミックスさせる。第一段階の香りから第二段階の香りに移行し、飲み込んだ。

若いな。まだ飲み頃じゃない。2004年か・・あと1年、いや2年くらいが飲み頃かな。

どうもありがとう。と、そのブースの初老の老人にお礼を言って立ち去ろうとしたときに、第三段階の気になる香りが口の中に広がった。「ん?」、樽の香りでもない、葡萄の香りでもない、何だこの香りは。そのまま飲むのにはまだ若いけど、煮詰めてオリーブオイルと繋いで魚のソースにしたら面白いかもしれない。

ちょっとパンフ貰って行きますね、あと名刺もらえますか?

どうですか?うちのワイン、美味しいでしょ。あ、はいどうぞ名刺です。

(ん?マルティン・ゲバラ?チェ・ゲバラと一緒の姓だ。かっこいいなぁ・・・)え、えぇ、まぁ。ちょっと若いですけどね、あと2年で飲み頃くらいじゃないでしょうか。

そんな他愛のない話から世間話をし始めた。専門的な言葉が飛び交うので、60%ほどしか理解できなかったけど、なんとか会話にはなった。この老人は、当方に興味を持ったようで、やたらと肩に手を乗っけてきたり腰に手を回してきたりした。

(ゲイか、てめぇ。まぁこの程度の老人なら襲われる心配は皆無だ。もうちょっと喋ろうか)と考えていたときに、

あなたは何処から来たのですか?

えっと・・・日本です。

ほぅ、私の兄もね、日本に行ったことがあるんですよ。私はありませんけどね。

そうなんですか、遠いですよね、日本。で、日本のどこに?

数十年前、兄がキューバの国立銀行総裁だったときに、日本のトーキョーに一度行ったことがあると聞いたことがあります。当時のトーキョーは・・・・

(まてよ?アルゼンチン人のこの人の兄貴がなぜキューバの国立銀行総裁に?数十年前というと何年前の話だ?この人の姓はゲバラ・・・たしかチェ・ゲバラも革命後数年間国立銀行の総裁だったはず・・・ということはもしかしてもしかすると・・・)あ、あの、もしかして・・・

はい。エルネストの弟です。彼とは15歳違ってるので、幼少のころの記憶しかありませんけどね。

おいおい、そんな重要なことをサラッと言うなよ・・・マジか?マジなのか??

はい。

全身に鳥肌がたった。ゲバラは40歳で亡くなり、若いころの写真しか見たことがなくて気がつかなかったけど、よく見ればその老人とゲバラの額から目にかけてのラインがそっくりだ。やばい、やばすぎる。なぜこんな所でワインを注いでいるのだ、もっとくれ、もっと俺にその手でワインを注いでくれ!

彼と握手した右手は一生洗わないとそのときは思ったけど、それじゃ不衛生なので家に帰ってきてからちゃんと洗った。でも、ちょっと冷たい、シワシワの小さいあの手の感触は一生忘れない。

今日は試飲会に行って良かった、心よりそう思った出来事だった。

あまりの感動だったため、マルティンのブーズでワインを飲みすぎて、昼間食べたラビオリが全部出た。

やっぱりワインなんか大嫌いだ。





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Last updated  2006.09.14 10:07:02
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