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カテゴリ:時事問題、新聞ネタ
もう、古くなりつつある特待生問題。大方の意見は、私学ならば、特色ある学校づくりのために、やるのはかまわない。高校生がかわいそう。お金のない生徒はどうするんだ、才能ある選手を伸ばすためになにが悪いのかと、言ったところ。ほとんどが高野連批判だろう。
確かに、知っていた癖に(たぶん)ここまで問題を放置して、騒ぐ高野連に大きな問題があるのは間違いなかろう。ただし、本当にそれだけなのか。 まず、他のスポーツと明らかに違うのは、その圧倒的な数。400校8000人といったところか。おいおい、そんなに野球の才能のある子供が、日本に8000人もいるのか?。だいたい、この数。一校平均20人だろう。レギュラーどころか、夏の予選のベンチに入れる数をも超えているのだ。しかも、これは平均。30人、40人と、特待生がいるところもあるだろう。 これだけの特待生を抱えるということは、他の一般生徒に本来使うべき資金が、みんな彼らを養成することに使われているのか。一般生徒は、ただの金づるか?。もっと充実した教育を受ける機会を奪われているのではないだろうか。しかも、私学には助成金も払われている。税金で、野球だけのためのような生徒の授業料を負担していることにもなるのだから。 だいたい、週刊誌にしても、外人部隊といった表現を使って批判していたばかりではないか。野球留学の選手ばかりで、郷土色もへったくれもないだの、批判していた連中は、いったいどうしてしまったのだろう。もちろん、高校野球に郷土色だの、純粋な高校生・・・なんてものをイメージするのは、幻想なんだろうが。しかし、これだけ脚光を浴び、浴びることのプラス面だけは享受しておきながら、マイナス面は知りませんでしたで、すませるわけには行かないだろう。 また、選手がかわいそうなんて声もあるが、選手も知らなかったわけではないだろう。自分たちが特別扱いを受けていたことも、自分たちに広告塔としての価値があるからこそ「特待」だったことも高校生ともなれば、よほどのアホでなければ気づかないはずはない。 16日付けの毎日新聞の記者の目で、元高校野球特待生の記者(は~、そんなのもいるんだ)の記事が出ていた。彼の高校は、同期からプロが5人も出て、しかも本人がいたころ、春夏あわせて5回甲子園に出たというんだから、そんじょそこらの有名校ではない。たぶん、PLクラスの学校か。 でも、その記者は、ベンチ入りすらできなかったらしい。そして、ベンチ入りもできなければ、野球で大学に行くこともできない。高3で受験勉強を始めても、野球しかしてこなかった自分の学力に愕然としたという(それでも、大新聞の記者さまなんだから、それから奮起したのだろうか)。 かつて特待生であった、彼は、野球の特待生については、マイナスの評価を下している(もちろん、全否定ではないが)。そして、彼の恩師(野球部の指導者か)も、特待生の問題点を指摘し、そして今では特待生を集めていないという。 やはり、400校、8000人という数字は、極めて異常であることは銘記していい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.17 02:52:37
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