うるうる日記

　昔。うるめがうちに来る前。

　「ハムスターを飼う！」と心に決めた時の話。

　ハムスターの事などなにも知らず、とにかくインターネットやら、本やらで勉強。

　そして、「まずは環境を整えなければ」と、飼う為に必要な物をそろえ始めた。

　一番最初に床材を購入。

　理由は簡単、私が思うものが最初に見つかったからだ。

　それを見て、旦那は大笑い。

　「お前、それだけ買ってきたのか？！本体はどうした、本体は」

　本体…つまり、肝心のハムスターの事である。

　ずいぶん呆れたようだったが、慌てて、「とりあえずなんでもいいや」で、

　買うことは出来ない。

　そんな事をしたら、結局気に入らなくて、また一から買いなおしてしまいそうだからだ。

　そんな風で、私は時間をかけ、砂浴び場、餌入れ用の陶器の器と、

　これ！というものを一個一個そろえた。

　その度に旦那は呆れ顔だったが、私が超！マイペースで、

　こうと決めたら言っても聞かないのをわかっているので、あまりとやかく言わなかった。
　
　心に決めてから一ヶ月後、ようやくゲージを買った。
　
　その日の夜、ルンルンで組み立てて、床材も敷き、砂浴び場や巣、回し車もトイレも、

　全てセッティング。

　出来た！

　と、一人でニヤニヤしながら眺めていると、

　「まだハムスターはおらんよ」

　と、旦那にツッコまれた。

　旦那「で？いつハムスター来るの？」

　私「夕方、ゆっくり選びたいから、今度の日曜日！」

　それから２、３日の間、私は事あるごとにゲージの前にしゃがみ込み、

　じー…っと眺めては、どこか落ち度がないかと確認していた。

　その姿をみて、旦那はこう思ったらしい。

　「あいつには、まだいないハムスターが見えている」
　
　と。

　それを、うるめが来てから後に聞かされた。

　「違うよ、確認してただけだよ」と、その時は言い返したけど…。

　よく考えると、実は見えていたのかもしれない。

　ハムスターが、うるめがゲージの中で走り回る姿が。

　今、あの時見えてた通り、うるめとの生活はとても充実している。

　ハムスターを、うるめを迎えて、大正解！である。

　


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