困ったちゃん全開!
「うお~!?」 と、突然旦那が変な叫び声を上げた。 何なに?と慌てて見に行くと…。 「うるめがヒマ種の袋の中に入った!」 ………。 何ですと~!? 「いや~!う-ちゃん、ダメ~!」 …流石にこれには慌てた。 見れば、袋の中で、たくさんのヒマ種の上を、うるめが行ったり来たりしている。 どうしよう。どうすればいいんだ? 一瞬パニックになったが、とにかくうるめを袋の中から出さなければ。 少ししか開けてなかった袋の口を、破いて全開にして、うるめを取り出した。 うるめは興奮気味に、手の上でわたわたしている。 どうやら彼女は宝の山を目の前に、一つもヒマ種を取れなかったようだ。 良かった…。ほっとした。 これでもか、というほど、頬袋がいっぱいだったらどうしよう、と思ったのだが… うるめにしてみれば、金銀財宝が、地面のように敷き詰められている上に立ち、 そのあまりの多さに、どこから手をつけていいのか分からずに、結局何にも取れなかった、 みたいな事だったかもしれない。 一掴みくらい手に入れててもよさそうなのに…なんてお間抜けな我が娘。 しかし、まさかうるめがその袋の上まで上がって、中に入るとは思ってもみなかった。 狙っているな~、とは、前々から気づいていたのだが…うかつだった。 やはり、ちゃんとしまっておかねば…。 と、とりあえず、小さなビニール袋に、おやつ類を一まとめにして、 口をきゅっと結んでおいた。 ところが… そんなものでは彼女の欲望を拒みきれなかった。 なんと。 登ってます! においで分かるのでしょうか!? 滑りながらも、懸命にしがみついて、上へ、上へと登っていきます! おお~っと!? どうやら今度は中に入ろうと、袋に齧りついています! 必死です!すごい勢いです! あ~…っと!?どうやらこれは… 進入成功!うるめ、進入成功しました! え~、…おや?うるめ、どうやら…ゴールが少し、思っていたところと違うようですね~… 残念でした♪