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2023.12.23

最後になったケーキを今年も

テーマ：思い出(22)

カテゴリ：思い出

一昨年の12月23日
前日に夫と検査結果を聞きに病院へ行って、余命宣告をされました

その翌23日に、たまたま新しくできた有名なパティシエさんのお店で
予約していたクリスマスケーキを持ち帰って
これが二人で過ごす最後のクリスマスになるのかなと思いながら食べた
クリスマスケーキ・・・

昨年も同じお店で、同じケーキを予約して
同じ日の12月23日に家に持ち帰りました

そして今日も、予約しておいた同じケーキを買って帰りました
2年前と何もかも同じ・・・

お店も、オーナーの笑顔も紙袋も2年前と同じ

違うのは、家に持って帰っても待つ人は誰もいなくて
ホールのクリスマスケーキを昨年同様、私一人で食べるということです

今年のケーキ
花びらのような薄いホワイトチョコのデコレーションが
今年からピンクになって、華やかさが増しました

まずは４分の1を頂きます
生クリームが沢山で、スポンジが薄いから
お口に入れたら溶けてなくなるのは、今までと同じです

夫と食べた2年前のケーキです

そして、昨年のケーキ

もともと私たち夫婦は、クリスマスを祝う習慣はなかったので
ツリーを飾ったりプレゼントの交換をしたりすることはありませんでした

でも、日ごろ見かけない綺麗なケーキが並ぶので
その時々に気にいったケーキを買って
チキンに限らず、ご馳走を食べる程度のイベントをしていました

強い思い出がないということは
今となっては、助かります
決まった行事をしていたとしたら
たぶん、まだまだ思い出に縛られることになるので
見るもの感じることが多少なりとも辛くなると思いますので…

これが最後として味わうことになったケーキ
クリスマスの象徴として、私には残ることになりました

独りになっても、今日このお店のケーキを入れた紙袋を持って歩いていると
とても幸せな気持ちに包まれました

記憶が蘇る前に
心が、体が、あの2年前の
夫が家で待っているあの日の幸せな感覚を覚えていたのでしょう

あと何年
この幸せ感が消えずに残ってくれているかわかりませんけれど

今年は、もういいかな

と、自然に思える時まで
お店がなくならない限り
クリスマスケーキは、このお店で買い続けたいと思います

Patisserie AVECAMOUR

『愛をこめて』というケーキ屋さん
小さいけれどご贔屓さんが途切れない素敵なケーキ屋さん

私たち夫婦の思い出のお店です