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いつまでも…二人で

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2024.04.05
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テーマ:思い出(22)
カテゴリ:思い出

2年前の今日、ホスピスでの最後の夜となりました

二日前は、体調も良く離乳食のようなピューレ状でしたが、
ご飯も三食だべられていて

回診に来てくださった主治医にも、筆談でしたがたくさん思い出話をして
私と目が合えば、優しく微笑んでくれていました

そんな様子を見て、主治医が
『体調も安定してきたので、一度、自宅に戻れるかもしれないよ』
と言ってくださったので、二人で少し喜んでいたりしていたのです

それからたった二日後
ホスピス入院から1週間たったので、血液検査と肺のレントゲンを撮っておきましょうという事に朝からなって
看護師さんが、採血しようとされるのですが
『血管が逃げる』という表現でしたが、夫の血管に採血の針がどうしても入らず…

私がつき添っているので、はっきりした事を仰いませんでしたが…

随分、入院と手術を繰り返していたので、血管に針が入らないことなど一度もなかったので
これは、とんでもないことが起こり始めてる…と本能的に察しました

その後、移動式のレントゲンを技師さんが2名で持って来られて
レントゲンは取れたみたいでした(放射線の関係で私は談話室にいました)

しばらくして、看護師さんが呼びに来られて
主治医から結果報告されて…

レントゲンには、左肺が水浸しになっていて呼吸ができていない事
右肺も、癌とみられる影がたくさん映し出されていて、殆ど呼吸ができていないと思われること…

学問として知っているだけの、極めて珍しい成長の早い癌ですけれど
たった1週間でここまで進行するとは…と主治医も言葉が見つからないようでした

結果、夫は今、あまり苦しがっていないけれど
溺れるような苦しさを味わうことにもうすぐなると思うので、とても強いモルヒネを使うことになって、
その薬を使うと、意識が混濁するので意思疎通ができなくなると思う…

なので、家族に連絡と話しておきたいことは今のうちにしておいてください、と言われたのでした

午後からは、時間を5倍速にしたのかと思うほど様態が悪化して
夫が「しんどい…」と言い始めたので、高濃度の酸素を吸入することになって…

それでも時折、オレンジジュースが飲みたいとか
私をじっと見つめて、目が合えば微笑んでくれたりしていたのに…

午後8時半、看護師さんの夜の交代に合わせて回診があった時に
いつもは午後11時ごろに睡眠薬を貰うのに
この日は、もう寝たい…と夫が言うので

いつもより早いよ、と看護師さんも聞きなおされたのですが

夫は、ゆっくりと頷いて、手でOKしていたので

じゃあ、もう寝ようか…と言って点滴に睡眠薬を入れてくださったのです

お布団も、綺麗に直して

『パパ、おやすみ』

と私が言うと

ニッコリ微笑んで、口パクで「お・や・す・み」と言ってくれました

しばらく、夫は目を開けていましたが、気持ちよさそうに眠りました

苦しそうには、全然見えなくて
明日からは、もう意思疎通もできなくなるので
今の、お休みの会話が最後になるんだろうな、と心と瞼に焼きつけておいて…

まるで映画のワンシーンのように
私の心に深く深く刻まれたのでした



翌朝、夫は目覚めることなく

私の呼びかけに、最後の力を振り絞ったように
握っている手をかすかに握ってくれて…

朝陽に、桜の花びらがキラキラと輝きながら舞い落ちていくなか

この世から旅立って行きました



常識とは違う、倍速の時間の中で
そのおかげで、苦しむ間もなく逝ってしまったのは
不幸中の幸いだったのかもしれません

そう言えるのも、あの日から2年が経ったから…なのかもしれませんね


ある程度、主治医から覚悟をするように言われた直後でしたから
一瞬一瞬を目に留めておこうとしたので、後悔することもなく
最後の夜の事を覚えていられたことに、感謝しています



そして、結婚してから何度言い合ったでしょう…「おやすみ」と

その最後の「おやすみ」は、2年前の今宵でした


何年経とうとも、この日の事は忘れることなく
毎年、毎年、同じ時刻に「おやすみ」という事でしょう…


あの時の「おやすみ」は私の人生の中で一番優しい声で言えたように思えます

夫も、最後に聞いた声が
私の「おやすみ」だったのです…



何だか、それがとても良かったな、、、、と思えます



🌼 🌼 🌼 🌼 🌼 🌼 🌼 🌼


夫といつも見ていた桜
大島桜…





今年は、伐採されていました( ;∀;)
でも、隣のソメイヨシノは枝が半分ほど切られていましたが、今年も綺麗に咲いていました




二人で見ていた桜が無くなtることは、とても寂しいけれど
夫が好きだった景色は変わることなく、繰り返し訪れてくれるから

昨年は、同じ桜を見るのが辛かったけれど
今年は、二人で見ていた景色がここにあることが嬉しく思うことができました

想い出が残り続けてくれることが、夫が「いた」事を証明してくれるから…
そのように思えるようになりました


いつもの「おやすみ」ではない特別な「おやすみ」は
一年に一度、桜の季節に言い続けて行きます…





今日もお読みくださってありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ




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最終更新日  2024.04.05 21:58:48
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