うさとら日記

初めて見た　＜リーディング＞

いただいたパンフレットには『舞台の上で肉体を使わずに、声だけで芝居を表現する！』と書いてあった


開幕前のＭＣは弥々さんと聞いていたので　声が流れた時「おっ　きっとオークションはこういう感じでやってるのかな…？」なんて思いながら　どう変わるか楽しみだった


『風の通る場所』


舞台の上には椅子が５脚

暗い中　５人の役者が出てくる

「弥々さんは？」と目を凝らす

弥々さんがきっかけで席につく


佐原設計事務所に勤める美奈のもとに　離婚して行くところの無い友人の佐代子が居候する
佐代子の持ち物はチェスととドールハウス
早く仕事を探すというわりにはいつもマンションにいて料理や掃除をしてる
チェストの引き出しが勝手に開くと言ったり　いもしない猫の声がすると揉め事を起こしたり…

上の階では日常茶飯事的に母と娘が激しい喧嘩をしている

美奈の担当する柏木夫人は優柔不断で美奈も佐原社長も困り果てている
頼んだものと次から次へと変更していく…強引ではないが…

佐原設計事務所の事務員・愛ちゃんはお母さんが認知症の症状がでてその面倒を見ながら仕事をしている。
父親や兄は「女が面倒みるもんだ」と仕事を辞めるように言っているらしい
「家の中の神様が弱っているから風を通して神様を元気にしないと　家の中で良くないことがおこる」そのためにはこの水晶で…



みんながみんな　少しずつ追い詰められていく

自分で自分を追い詰める人　弱いところにつけこんでくる人

そこまで追い詰めてやっと気がつく人

人への無関心と面倒な事には関わりあいたくないという心かなぁ


ミステリーのようなホラーのような…



弥々さんの役は　佐原設計事務所の社長　一番冷静というか常識的な大人の役
痩せてて小柄なのに　声に深みがある



役者さんが並んで座り　その役のセリフがある時にスポットがあたる

リーディングとはいえやはり役者さんを見てしまう

顔の表情をおいかけて　声もがらっと変わる

すごい…

始まったとき　緊張しているんだろうか　二人の声のトーンが張り詰めていてちょっと辛かった
でも　だんだんみんなが入ってきて　まとまってきた

休憩を入れても９０分近い作品

あっという間だった　
息を詰めていたわけじゃないけど　終ったとたんフーッと息をついた感じ


アンケートに「自分もやってみたいか？」みたいな設問があったけど…
うううん　充分　聞いて楽しむ方がいい
　　


こういうのは　癖になるんだよね