伝説の男
友人Nは山なんて興味ない男でした最初に彼を山に誘い出したのは私なのですが現地までの運転に頭数が多いほうが楽だという下心もありました彼は初回から夏山の汗を搾り出す爽快さが気に入ったようで次は何処へ行こう?と登山ガイドを眺めるようになっていきましたそんなある日の事我々は男女4人のパーティで函館方面の離れた場所に有る大千間岳へ登山に向かいました登山口でテント泊をして翌朝快調に登り始めたのですが途中彼が珍しく『 すみません ちょっとおトイレ行ってきます 』と言って笹薮の斜面に消えていきました道中は丁度川の支流から尾根筋へと高度を上げる登山道の中では少々わかりにくくなってる場所だったので我々も彼を置いていかずにのんびりと休憩がてら平らな場所で待っていました彼は笹の生い茂る斜面を登山道から離れて登って行ったのですが斜面は角度を増すばかりで平らな場所が見つかりません幸いにも笹の茂みでお尻は見えないしあまり待たせては申し訳ないと焦っていた彼は足場の悪い斜面で屈んでズボンを下ろしたのでしたうんちんぐスタイルと言うのは実はなかなかのバランスを必要とするもので斜面の下が笹で覆われていて角度の目測を誤ったのか彼はしゃがんだ瞬間おでこを前の地面に激突させてバランスを崩し・・・我々が休憩していた場所の上のほうから『 アッー! 』と声が聞こえた直後彼が華麗な連続後方でんぐりがえりを決めながら我々の前に現れたのです!!そして・・彼は伝説になりました(笑)