空のオルガン

先日寒かったので、今シーズン初のセーターを着た。
　１時間もしないうちに、首がかゆくなってきた。
　そうだった。子供の頃から、毛糸の服が苦手だった。幼稚園の時なんて、毛糸のパンツをはく、はかないでいつも母とケンカしていた。毛糸の帽子も、かぶっている間はずっと気持ちがそこにいって、周りの話が耳に入らないくらいだった。ダウンとかフリースとかなかったもんなあ。
　セーターを着るときには、中にタートルネックか何かを着て、首をガードしないと。

　だけど、タートルネックが似合わない。似合わないを通り越して、おかしい。首が全部埋まってしまう。タートルネックとはうまいネーミングだとこんなところで感心する。
　タートルネックとハイネックは別物だと知り、この前買ってみた。が、これもおかしい。首がなくなる。どんだけ短いねん！
　夏のTシャツも、丸首は似合わなくて、Vネックを選んでいるくらいだから、首の骨２つくらいしかないかも。

　オフタートルの前をなるべく下げて、Vネックに近づけるのが一番マシっぽい。
　そうか、タートルネックとオフタートルも別物か。も～、なんかいろいろ面倒くさいなあ。

　手持ちのオフタートルを手に、うちのおしゃれ番長（う〜の）に確認してみた。「これがオフタートル？」
「タートルネックやろ」　
「え？タートルネックって首にぴったりはりつくやつちゃうの？」
「それ、リブタートルやろ」
リ、リブタートル…？また知らないワードが出てきた。もうやだっ。

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