小林カツ代さんに学ぶ
料理研究家ばやりの昨今、テレビをつけても書店に行っても挙げればキリがないくらい、いろいろな方々が登場し自慢のレシピや料理のコツ、ちょっとしたアイデアを伝授してくれている。有名シェフやいかにもプロの料理人が教えるというよりは料理上手な普通の主婦や実は料理が趣味の男友達がおしゃべりしながらご飯を作ってくれているような感じが親しみやすく思わず見入ってしまうことが多い。「食」は誰もが毎日関わることだが、その関わり方や好みは人それぞれで同じ料理研究家でもいろいろなやり方、こだわり、大切にしていることもそれぞれ違って面白い。小林カツ代さんの名前はずいぶん前から知っていたように思う。若い頃からそれほど料理に関心があったわけではないがそれでも私にとって料理研究家といえば、一番に名前が浮かぶ人だった。とはいえそれは、カツ代さんのレシピというより、近所のスーパーなどでカツ代さんが開発した便利な調理グッズをよく目にしていたからだと思う。意識して買ったわけではないが、気がついたらカツ代さんの名が入ったまな板がわりの薄い下敷きのようなボードを愛用していたせいもあるだろう。最近まで私にとっての小林カツ代さんはその程度の存在感だった。今、人気の料理家ケンタロウのお母さんと知ってへぇと思った程度。本当に失礼なことである。今更ながらで本当に申し訳ないような気持ちなのだが、ここ数日で小林カツ代さんのことが大好きになってしまった。図書館で何気なく借りた2冊のエッセイが発端である。それはカツ代さんが子育て真っ最中の時に書かれたもので「食べることを喜ぶこども」にしようとあれこれ心を砕いて台所に立ち続けた母としての小林カツ代さんの姿が見えてくる。時折、アイデアレシピも織り交ぜられ、料理本としても使え読み物としても大変勉強になる内容だった。この種の本によくある、語り口の説教臭さ押しつけがましさなどはまったく感じられず、実にユーモアがあって穏やかで、それでいて大切なことをまっすぐに教えてくれこどもとの食事に毎日頭を悩ませている私の心に染み入った。久しぶりにいい本との出会いをして、すっかり嬉しくなりあらためて書店に注文したのはいうまでもない。調べてみれば、小林カツ代さん。すでに170冊の著書があるそうだ。レシピ本だけでなくエッセイストとしても広く活躍されている。最近は、東京で著名人をたくさん集めて女性合唱団を作ったりいつも朗らかで、溌剌とされているようだ。まさに素敵な年のとりかたをされている女性である。これからも注目していきたい。そして今、子育て中のお母さん方ぜひぜひ、小林カツ代さんのエッセイを読んでみて下さいねきっととっても心強いバイブルになってくれるはず。ちなみに私が感銘をうけた2冊はこちら↓いただきま~すママおかわりっ