ふくおか散歩★キャナルシティ博多
最近こそあまり見かけなくなったが、ちょっと前までは福岡のことが全国ネットで紹介される時「博多市」という間違いスーパーをちょくちょく目にした。それくらい福岡=博多のイメージは強く、かつての博多商人が築いてきた賑わいと人懐っこい博多っ子の人情味は全国的に知られるところではある。しかし残念ながら「博多市」という地名は存在しない。それどころか、ドーナツ化現象でどんどん人口が減り商店街は閑古鳥、学校は統廃合、博多駅周辺はオフィスビルやホテルばかりが目立つ味気のなさ。なんとかせねばということで、96年「博多部再生の切り札」と言われて建設されたのが「キャナルシティ博多」という商業施設である。オープン当初は、私も幾度となく取材におしかけた。斬新な色使いと、曲がりくねった不思議な建物群。施設内を水が流れ、運河をイメージしたのがキャナルの名の由来だ。映画館、ホテル、劇場、レストランをはじめさまざまなショップが軒を連ねる。大型の駐車場を完備し、車で乗りつけられるのも売りだ。郊外に大型商業施設がどんどんと進出する中都心でありながら、小さな商店街の趣を残す博多などは車社会にどう対応していくかも課題だった。今でこそのんびり散歩しながら、小さな店をまわる楽しみもひとつのブームだが、それだけでは生き残れないことも確か。特に福岡では96年から2000年にかけて、これでもかというくらい大型商業施設の建設が相次いだ。東京から三越がやってきたのもその頃。老舗の地元デパートが新館をつくって対応すると別のデパートが増床。天神の総売り場面積は一気に3倍に膨れ上がり、天神流通戦争などと呼ばれた。一方の博多も負けてはならぬと、キャナルに続いてかつての商店主たちが店を明け渡して結集し、銀座の高級ブランド街をビルにしたような施設まで作った。さてさて、話はキャナルシティに戻る。オープンから10年がたとうとしている。当時は、しつこいくらい売り上げ高をチェックして「本当に新たな博多の顔になれるのか??」といった意地悪な取材をしたりもしたのだが息子の手をひき久しぶりに行ってみて、なんだか楽しい気分。人も多くも少なくもなく、ちょうどいい賑わい。今では「博多になくてはならない場所」という感じで雰囲気もいい。改装を重ねてきただけあって、時代にあった魅力的なスポットも多く、目に楽しい仕掛けがあちこちに。ハロウィンにちなんで運河には、オレンジかぼちゃボールがうようよしていてびっくりした。買い物客がそれぞれに願いごとを書いて、投げ込んだらしい。なんだか面白い。ちなみに、ここはクリスマスイルミネーションの名所でもある。季節にちなんだデコレーションは、とっても大事。最近のカフェブームに乗って、北欧の魅力たっぷりのムーミンカフェが人気。無印やフォブコープのカフェもいいね。世界のカリスマ主婦栗原はるみさんのレストランもあり、大行列ができてました。お昼なに食べる?ってわくわくしながら息子に訊くと「ケンタッキー」だって!え~っ?ここでしか食べられないのにしようと言っても聞かず。あーあ。無印でカーテンを買って帰宅。帰ってきた父に「きょうは、やじるしに行った」と得意気に報告した我が相棒。さて、明日はどこに出かけよう。~ふくおか散歩道、初回なのではりきりすぎ長文になってしまった。読みづらかったかしら。ほんとうは私、古めかしいスローな感じの博多の街が好き。キャナルもいいけど、実は博多には、時間が止まったような味のある商店もまだまだいっぱい残っています。そんなところも、これから少しずつ紹介していきたいと思っています。