パワーアップフライデー
ここ数ヶ月、毎週金曜日の午前中にいま話題のYOGA教室に通っている。ヨガもいろんなタイプがあるみたいだが、私が通っている教室は「ハリウッド式パワーヨガ」なるもの。ヨガときけば、体がやたらにくねくねした怪しいインド人を想像してしまう私。おそらく学生の頃に、なぜかはまっていたコインゲーム「ストリートファイター」の影響だろうと思う。わかる人にはわかりますか?ちなみに私はいつも中国人の女ファイターchunriをセレクトし目にもとまらず足技で、アメリカの大男や、くだんのインドのヨガ男(突然宙に浮いて消えたりする)を蹴散らすのが快感だった。話がそれたが、もちろん私の通っているヨガには、インド人はいない。新興宗教の道場のような怪しさも、みじんもない。それどころか「ハリウッド」というなんだか魅惑的な枕詞がついている。ハリウッド?ちょっとかっこいい。まるでハリウッド女優のごとく、美しいプロポーションを手に入れられそうな…けれども甘くみてはいけない。ヨガの前にはパワーがついているのだ。そう、文字どおり、普通のヨガよりもパワフルなのである。しかし、私は普通のヨガを体験したことがないので、こんなものかなと思って頑張っているのであるが、普通のヨガを知っている人から言わせればかなりきつくて、汗びっしょりになるとのこと。とはいえ、ジャズダンスやエアロビクスのようにとんだりはねたりはしない。耳に心地よいヒーリングミュージックが流れる中で心静かに、講師の声にしたがって、いろんなポーズをとる。講師の先生がまた、感じのよい人で、たぶん私よりずっと若いのだと思うが姿勢がよくて、落ち着いた雰囲気が漂っている。「はい、次は両手両足をマットにつけて、よつんばいになりまーす 足は腰幅にひらき、つまさきをつけ、ニュートラルポジションでーす」ヨガの講師は、こうしたポーズの説明トークもしっかり勉強しているのであろう。先生の語り口は、さらさらと流れる小川のせせらぎのような響きがあってじっと聴いていると眠くなりそうなのだ。けれどもその優しい声が伝える要求は、けっこうハード。そのへんのバランスがまた面白くて、頑張ってしまう。ひどい肩凝り症で、血のめぐりがあまりよくない私なので週の終わりの金曜日に、日頃はとらないような逆さまポーズで刺激を与えるのは、実に気持ちがいい。さまざまなポーズを終えた後、マットの上に静かに横たわって目をつむり、最後のリラクゼーションタイムがある。「金曜日です。この一週間の疲れ、ストレス、嫌なことを 全部吐き出して、すっきりしました。 全部マットの上に溶け落ちていくイメージでーす」りょうかーい。リセット完了でーす