ひたひたと…大晦日
あぁ、気づけば2006年もあと一日だ。毎年のことだが、なんとなく浮かれ気分のクリスマスが終わると一気に、なにかに背中を押されるようなこの感じ。一年という歳月がぐるりとひとめぐりして、新たなスタート地点に戻ってくる。たかがそれだけのことと、見て見ぬふりをして通り過ぎようとした頃もあったけれど、やはり今となっては粛々と襟を正して、次なる年をお出迎えしたいという律儀な気持ちでいる。それなりに年をとった証拠か。とはいえ、年賀状に大掃除に(ごく簡単に。手抜きだけれど)帰省の準備にと、あれもこれもと、ひとりでバタバタしているだけ。今年は、師走を目前にして、盗難にあって、車も使えなくなるしいろいろと災難も多かったけれど…でも、全体的にみたら、悪い年ではなかった。息子は幼稚園にニコニコと元気にいけるようになったし私も、自分なりの仕事ができるようになり、人の輪も広がった。夫は、月~金午前3時半からの激務の担当になり、朝も夜もないような生活がつづいたが、体も壊さず愚痴もこぼさずによく頑張っていた。帰りが早くなった分、これまでは叶わなかったみんな揃って晩御飯ができるようになり、私の料理の腕も少しはあがったかなぁと思う。家族の誰も大きな病気やケガもなく、また新しい年が迎えられること、それだけでありがたいと思うきょうこの頃。きのうの夕方、息子の手をひいて、近くの商店街を散歩した。通りの店やオフィスの玄関には、しめ飾り。もっと賑わっていると思っていたが、そうか、すでに29日。オフィスは、ほとんどシャッターがしまり、「迎春 平成19年元旦」の張り紙があった。軒先はきれいに掃除されていて、来たる新年に敬意を表している雰囲気が漂っている。我が家も、慌てて、味気ないマンションの玄関ドアにちいさなしめ飾り。クリスマス用に飾っていたサンタの人形やポストカードなどがうっかりそのままになっていたことに気づき、さっさとしまう。おおつごもりの足音がひたひたと…きのうから急に冷え込んできた。故郷のコタツにくるまって、家族で聞いた除夜の鐘を思い出す。大晦日の夜は、なぜにあんなにしぃーんと空気がはりつめているのだろう。世界中の人々が息をひそめて、新しい年を待っている感じ。しんしんとずんずんと、近づいてくるニューイヤー。元旦の朝は、なんとなく空気がおいしく感じられた。気のせいだと思うけど、新しいとはそれだけで気持ちがいい。なんかいいことありそうな。昨年の失敗や不義理を完全に忘れるなんて都合が良すぎるけれどせめて包み込んで、白く丸くやわらかく。そう、正月に食べるお餅のような慈悲を受けて再スタートが切れますように。みなさま、今年一年ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。そして、来年もたくさんお話しましょう。来年はどんな出逢いが待っているのか、今からワクワクしています。