愛するカメラ
6年前、ずっと務めていたテレビ局をやめて、ほんのひととき、地元の小さな雑誌社の編集部にいたことがある。雑誌づくりの仕事もずっとやってみたかったことのひとつで、実際には広告営業と兼任でかなりハードな日々だったけれど、ひとりであちこち取材に行って、写真を撮り記事を書き、レイアウトしながら紙面を作っていくのは、なかなか楽しかった。自分への転職祝いに、ずっと憧れだったNikonの一眼レフカメラを思い切って買った。その頃はまだデジタルカメラがやっと普及し始めた頃だったし、プロとして買うなら当然、一眼レフ!だと決めていた。でも完全マニュアル仕様はやっぱり怖いので、オートフォーカス機能のある入門機を。それでも、その頃のお給料の半分弱を占めるオネダンだった。結局は事情がかわって、その会社には半年もいなかったのだが、それでもこのカメラにポジフィルムを入れて、福岡に新しくオープンした店やイベントの紹介等けっこう活躍したものだ。その後、時は流れ・・・デジタルの手軽さに慣れ、重くてかさばる、このカメラはまったく出番なしで、ずっとしまいこんだままだった。いまはキムタクのCMでおなじみの通り、一眼レフもデジタルが主流。Nikonもついに、デジタルだけしか作らなくなった。もうすぐ息子の運動会。そして紅葉の季節。望遠のついた一眼のデジタル欲しいなぁ~やっぱり写真の深みがコンパクトカメラとは全然違うもんねぇ~欲しいなぁ欲しいなぁ~とこのところずっと思っていた。でもね、せっかく買ったあの一眼レフ。使ってあげないとかわいそう・・・よし!決断は早い私。週末にとびきりの望遠レンズを買った。デジタルにもつけられる兼用タイプ。70ミリ~300ミリのズームができ、見た目はかなりゴツいが、ファインダーをのぞくと、なんだかワクワクする。当たり前だけど、遠くのものが迫ってくる面白さ。しかも、狙ったものだけにピントをがあい、まわりはボヤけて、対象物が浮き上がってくる感じ。きのうは息子と自転車を走らせ、近くの公園へ試し撮りに出かけた。どんな写真ができてるかな。これからプリントをとりにいくところ。