明窓浄机
ごちゃついて足の踏み場もなかった書斎をやっときれいに整頓しました。すっきり~!書きものだけでなく、裏打ちのためのアイロン、額入れ、そして梱包まですべてこの部屋でやっているのですが、気がつくといつも床にいろんなものが散材。この間、ついに額のガラスを踏み割ってしまったのです。こりゃいかん!そもそもスペースが足りない・・・と、暫くは外に適当な部屋を借りることを検討していました。自宅とは別の場所に仕事場をもつのは理想的。日常生活との線引きも出来るし、さぞかし仕事がはかどりそう!と夢はどんどん広がり、実際によさそうな物件もいくつか見にいったりもしたのです。といっても、今の自分の稼ぎで借りられるアパートは限られています。もともと古いもの好きな私としては、築年数のふるい、昭和な香りのする、おんぼろな部屋でも構わないと思っていて、学生街のこのあたりは実際に、家賃2万3万の、格安物件がゴロゴロありました。ただ、現実にお部屋を訪ねてみて、あまりにも人の気配を感じられない静まりかえった佇まいに圧倒されてしまいました。そう、昔ながらの木造共同住宅。じゅうぶんに味わい深いのですが、なにしろ、ほとんどが空室。最近は学生さんもリッチになっていて、オートロックなしでは、どうにもこうにもなんだそうです。気持はわかる。だってこんなに物騒なのだもの。多少、お金をかけてでも安全なところに住ませてあげたい親心。苦労しながら工夫しながら生き抜く知恵を養う機会をも奪ってしまっている気もするけれど・・・。古いものを大切に使いたい主義にも明らかに反しているが、どこでも好きなところへどうぞと言われて、そこで仕事をしている自分を想像したけれど、なんとなく寂しくなってしまい、一気に怖じけづいてしまった。あ、やっぱり、今の部屋、ちゃんと掃除しよう。そう思い直す。根性なしです。片付けたら、なんだ、これで十分だって、所詮、夢なんてこんなもの。妥協は敗北にあらず。大切なのは妥協との接点をどこに見出すかってこと。昔読んだ本の一文がふと頭をよぎった。柔軟にいきましょ